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山内涼太がTKO勝ちで新王者 3回終了後に相手が棄権「泣きそうになりました」

[ 2020年8月19日 21:55 ]

<WBOアジアパシフィック・フライ級王座決定戦>3回TKO勝ちで王座を獲得した山内(左)、右は阿部トレーナー
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 プロボクシングのWBOアジアパシフィック・フライ級王座決定戦12回戦は19日、東京・後楽園ホールで行われ、同級4位の山内涼太(25=角海老宝石)が同級5位の戸高達(30=レパード玉熊)に3回終了TKO勝ちし、新王者となった。戦績は8戦7勝(6KO)1敗、敗れた戸高は18戦10勝(4KO)4敗4分となった。

 序盤から激しく打ち合った。山内は左のリードジャブから多彩なコンビネーションを披露。だが、低い態勢で前進してくる戸高のパンチをもらう場面もあった。3回、右のアッパーをヒットさせると、戸高が膝をつくダウン。一気に攻めたものの、ここは仕留め切れず。ただ、3回終了後に相手陣営が棄権を申し入れてTKO勝ち。あっけない幕切れにも山内は「ホッとしました。勝てば何でも良かったので。ボクシングをやってきて初めて“形”を残せたのでうれしいです。勝ちが決まった瞬間は泣きそうになりました」と喜んだ。

 ボクシングの名門、東農大出身のエリート。だが、アマチュアでは箕面東高時代の選抜大会で準優勝が最高成績とタイトルとは縁がなかった。昨年3月には敵地でウラン・トロハツ(中国)とWBAインターナショナル王座を懸けて対戦したが、無念の判定負け。それでも3回にダウンを喫しながら6回にダウンを奪い返すなど最後まで打ち合う激闘を経験したことで心身ともに成長した。

 この勝利でWBOの世界ランク入りは確実。すでにWBAでは世界3位にランキングされており、もう一段上のステージも視野に入ってきたが、山内は「今日の内容じゃあヤバいです。会長からもメチャ怒られました。ただ、いつチャンスが来ても大丈夫なように準備はしたい。もっともっと練習します」と表情を引き締めた。

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2020年8月19日のニュース