盛り上がる日本ボクシング界 王座剥奪された“あの男”の復活にも期待

[ 2019年9月22日 09:30 ]

比嘉大吾
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 井岡一翔(30=Reason)が4階級制覇を達成し、村田諒太(33=帝拳)は世界王座に返り咲き。井上尚弥(26=大橋)が優勝を目指すワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級トーナメント決勝の国内開催も発表された。3階級制覇の田中恒成(24=畑中)、2階級制覇の京口紘人(25=ワタナベ)、6度防衛中の拳四朗(27=BMB)ら軽量級の王者たちも充実。一時期に比べて現役世界王者の数こそ減ったが、日本ボクシング界が再び盛り上がってきている。あとはデビューから15戦連続KO勝利を飾った“あの男”が復活すれば、さらなる活性化も期待できるのだが…。

 元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(24=白井・具志堅)が3度目の防衛戦で体重超過の失態を犯して王座剥奪、日本ボクシングコミッション(JBC)からライセンス無期限停止処分を受けたのは昨年4月。すでに1年5カ月が過ぎた。比嘉自身はSNSにトレーニングしている様子を掲載したり、6月には拳四朗ともに京口の試合をリングサイドで観戦する姿がテレビに映し出されたりと、心配された健康面の問題は解決されているようで、ファンの復帰を望む声も高まっている。

 「無期限」とはいえ、比嘉の場合は、薬物違反や体重超過を繰り返し、日本のリングから事実上の永久追放となったルイス・ネリ(メキシコ)とは違う。世界戦で日本人初の計量失敗という事実を重くみたJBCは厳罰を課したが、同時に復帰する場合には1階級以上転級させることを義務付けた。さらに処分を告知する文書には「停止解除は定期的なコンディション管理報告、健康状態報告等を受け総合的に勘案してJBCが決定する」の注釈も付いた。つまり、期限は定めないものの、復帰を前提としたものだった。

 では、処分解除はいつなのか?

 実は、すでにJBCは解除の方向で準備は進めている。ただ、比嘉サイドからのアプローチがないのだという。比嘉が信頼を寄せていた野木丈司トレーナーが白井・具志堅ジムを離れてしまい、どうやらジム側とコミュニケーションがうまくとれていないようだ。ライセンス申請などは所属ジムを通じて行うルールがあり、まずはジムとの関係が改善されないと、再起の道は見えてこない。
 RISEワールドシリーズを制したキックボクシングの“神童”那須川天心がK―1のエース武尊との対戦を呼び掛けた。那須川の「選手がやりたい、ファンが見たいというカードを組まないのはおかしい」という発言は間違ってはいない。ただ、2つの別の組織にはそれぞれ事情もあり、簡単には実現しないかもしれない。

 それに比べれば、比嘉とジムの関係修復は難しくないのではないか。ボクシングの選手生命は決して長くない。比嘉にとっては、ここ数年が最も輝ける年齢かもしれない。再起を待ち望むファンのためにも両者が歩み寄ることを期待している。(記者コラム・大内 辰祐)

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