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大森“船上シャドー”4カ月遅れ悲願の世界初挑戦へ珍トレ

[ 2017年2月23日 05:30 ]

WBO世界バンタム級タイトルマッチ   王者マーロン・タパレス≪12回戦≫同級6位・大森将平 ( 2017年4月23日    エディオンアリーナ大阪 )

ボクシング大森
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 WBO世界バンタム級6位・大森将平(24)が4月23日にエディオンアリーナ大阪で同級世界王者マーロン・タパレス(24=フィリピン)に挑戦すると22日、ウォズジムが発表した。プロで唯一黒星を喫した因縁の相手との再戦に、陣営は船上シャドーなどの“珍トレ”を用意。大森は昨年大みそかに予定していたIBF王者リー・ハスキンス(英国)との世界初挑戦が相手負傷で中止になっており悲願の世界戦となる。

 世界戦がリベンジの舞台だ。大森が15年12月に世界挑戦者決定戦で2回TKO負けしたタパレスに挑む。京都市内で会見した大森は「あの負けがずっと頭に残っている。恐怖心に打ち勝って臨む」と闘志を燃やした。

 防御がカギと考えた陣営は“スポ根”ドラマ並みの特訓を来週開始予定の沖縄合宿から用意する。初回にダウンを奪われてペースが乱れた前回の反省を生かし、まずは倒れそうになってもバランスを保つためのトレーニングだ。大森昌治会長は「船で沖までいって、揺れる船上でシャドーをやらそうかなと。酔い止めは飲まさずに三半規管を鍛える」と明かした。

 耳の奥にある三半規管は、平衡感覚をつかさどる。船酔いに近い状態でシャドーをすることで三半規管を鍛えれば、危機に陥っても本能的に乗り切る可能性は高まる。船上トレに加え、砂浜では、地下足袋で5キロの重りを足首に巻いて足腰を鍛える。京都に帰ってからも「地獄の特訓」は続く。スパーは、これまで最多の150ラウンドを予定。会長考案の2対1スパーで4本の腕から飛んでくるパンチに慣れれば、王者の速いパンチも怖くない。昨年大みそかに計画された世界初挑戦。王者のハスキンス陣営が要求した「四つ星ホテル2週間宿泊」などのむちゃな条件に同会長は歯ぎしりし「歯が4、5本欠けた」と明かすほど苦労して舞台を整えたが、相手の負傷で結局、中止になった。4カ月遅れで迎える悲願の世界初挑戦。大森が自身と陣営の悔しさをぶつけてベルトを手に入れる。

 ◆大森 将平(おおもり・しょうへい)1993年(平5)2月2日、京都市生まれの23歳。プロボクサーだった父・正喜さんの影響で中学2年から本格的に競技を始める。南京都高校出身。アマ通算19戦11勝8敗。11年4月にデビューし、15年4月に日本バンタム級タイトルを獲得。同年12月にタパレス(フィリピン)に2回TKO負けして初黒星。左のボクサーファイター。特技はイラスト。1メートル73。

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2017年2月23日のニュース