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内山無念返り討ち 完全燃焼も判定負けで引退濃厚

[ 2017年1月2日 05:30 ]

WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ   ○スーパー王者ジェスレル・コラレス 判定 同級2位・内山高志● ( 2016年12月31日    大田区総合体育館 )

1−2の判定負けにうつむく内山。背後は忻ぶコラレス陣営
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 前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志が世界王者返り咲きに失敗した。4月27日に2回KO負けを喫し、11度防衛したベルトを奪われた現スーパー王者コラレスとの再戦で1―2の判定負け。5回にダウンを奪い、終盤にはボディーを利かせて追い上げたものの、スピードと手数で勝るコラレスに押された前半の失点が響いた。去就については明らかにしなかった。

 満員の場内が失望のため息で満ちた。読み上げられた採点はコラレス7点差勝ち、内山1点差勝ちと来て、最後は3点差で王者の防衛。「ポイントは取られていたなと。ダメかなって思いました」。判定を淡々と受け入れた内山は「リベンジはもっとハッキリした内容で取らないといけない。KOも狙わないといけなかった」と悔やんだ。

 序盤は初戦と同様コラレスのスピードと大振りフックに苦しみ、右を外されては左をもらった。しかし、5回に左フックでダウンを奪ってからは攻勢を強め、終盤はボディー攻めで相手を弱らせた。しかし、逃げ切り態勢に入ったコラレスは打ってはクリンチ、ホールディングを連発し、最終回には開始ゴングに靴ひもがほどけたのを利用して“休憩”。なりふり構わない相手を攻略できずに終了ゴングを聞いた。

 8カ月前、同じ大田区総合体育館で3度ダウンした。具志堅用高のV13を視界に捉えていた防衛記録も、熱望していた海外進出も夢と消えた。だが「コラレスだけとはやりたい気持ちがあった」と再起を決意。KO負けを喫した映像を徹底チェックし、約7年ぶりに外国人のスパーリングパートナーも招へいして対策を積んだ。一部関係者には勝っても引退する決意を伝えて臨んだが、「相性が悪い。一番戦いづらい相手」(ワタナベジム・渡辺均会長)に再戦でも結果を覆せなかった。

 内山は今後について聞かれると、「今はゆっくり休みます。(この試合に)懸けてきたので」と明言は避けた。それでもサバサバとした表情で、「前回より納得はしている。ポイントで負けたので。実力を出し切って、最後のゴングを聞いて、これだったので、しようがないというのはある」と話した声色に未練は感じられなかった。

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2017年1月2日のニュース