尚弥 量より質で勝つ!30日V4戦へスパー120Rを60Rに
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者・井上尚弥≪12回戦≫元WBA王者・河野公平 ( 2016年12月30日 有明コロシアム )
「量より質」で圧勝を目指す。4度目の防衛戦を迎えるWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23=大橋)が19日、横浜市内の大橋ジムで練習を公開した。疲労性の腰痛を発症した9月のV3戦は予想外の苦戦の末に10回KO勝ち。元WBA王者・河野公平(36=ワタナベ)の挑戦を受ける今回はコンディション優先でスパーリングを従来の約半分、プロ転向後最少となる60ラウンドあまりに抑え、一回ごとの質を高めたことを明かした。
世界戦では自身初の日本人対決へ、井上尚は東洋太平洋フライ級王者・比嘉大吾(白井具志堅)らとスパーリングを重ねてきた。しかし、従来なら約120ラウンドを消化していたスパーは「60ちょっと」(父・真吾トレーナー)。かつては世界戦と同じ12ラウンドを1日おきにこなすこともあったが、今回は最高で一日5ラウンドという。
V3戦は約3週間前に腰痛を発症。スパーリング過多が原因とみられ、試合中は椅子から立つのにも苦労した。「コンディションに気をつけながらやってきた」今回はスパーの回数を減らす一方、「足を使う」「ディフェンス」などラウンドごとにテーマを設定してクリア。井上尚は「疲労をためないで、細かい技術を確認しながらできた」と手応えを口にし、真吾トレーナーも「中身が濃かった」と話した。
スパーの代わりにサンドバッグやミット打ちを増やすなど、全体の練習量は落ちていない。スタミナも問題なく、井上尚も「不安はなくメリットしかない」と言い切る。来年末に計画するWBC王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア、帝拳)との対決へ、スーパーフライ級の体重を維持するため普段から節制を心掛けており、「前回の公開練習と動きが全然違う」と調整面でも新たな手応えをつかんでいる。
日本人対決とあり、珍しく相手の研究もしている。河野を「非常にタフでスタミナもキャリアもある。(王座から陥落した8月の)コンセプシオン戦は作戦ミス。普通にやれば勝っていた」と評価しながらも、「対応できるように、打ち勝つ練習もさばく練習もやってきた。一方的な展開で何もさせないで勝つイメージをしている」と自信を示した。過去2試合とも不満だったという2016年の最終戦。「ここでいい試合ができれば、来年も変わってくる」と視線を鋭くした。
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