村田諒太“ミドル級最強”ゴロフキンの世界戦結果を予想 いずれは「勝負したい」
ボクシングのロンドン五輪ミドル級金メダリスト・村田諒太(30=帝拳)が活躍する同級のWBAスーパー・WBC・IBF統一世界王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)が10日(日本時間11日)に英ロンドンでIBF世界ウエルター級王者ケル・ブルック(英国)とWBC・IBF世界ミドル級タイトルマッチ(WOWOWプライムで12日放送予定、メンバーズオンデマンドで11日未明ライブ配信予定)を行う。村田と芸能界屈指のボクシング通、俳優・香川照之(50)が見どころを語った。
【村田諒太が語るゲンナジー・ゴロフキンVSケル・ブルック】
――見どころを教えてください。最初に聞いたときにどう思いました?
「ケル・ブルックは男だな、かっこいいと思いました。『誰もやりたがらないチャンピオンのゴロフキンだから俺はやるんだ』と言っていますし」
――試合展開はどうなると思いますか?
「ブルックが動いて、ゴロフキンが追う展開になると思います」
――ゴロフキンの戦い方としてはいままで通り?
「いまままで通りでしょう。ガンガン振ってつめるのではなくて、ジャブを軸につめていくと思います。動く相手にパンチを振り回してしまうと空振りになってスタミナが切れることもあると思うので。そのあたり、ゴロフキンが冷静になって戦えば、ゴロフキンの勝ちは動かないと思います」
――ブルックに勝機ありというときはどんな展開ですか?
「動く、もらわない、スピードで勝つ。それでゴロフキンがイラつく、振り回す、スタミナが切れる、でしょうね。ただ、ブルックが勝つ姿が想像しにくい。実はブルックがキース・サーマンと試合をする前に練習場が一緒だったことがあって、身体を見ました。確かに筋骨隆々としていてウェルターにしてはしっかりした体格だと思ったのですが、ミドルかといわれると体格的にはそうでないことは確実です」
――ゴロフキンと村田選手が戦うならどう攻めますか?
「僕はガードをしっかりします。打った後にゴロフキンが休む瞬間がありますし、スタミナがあるように見えて、バテることがありますよね。しっかり打たせて我慢してビビらないで距離をつぶして勝負したいです」
――今回のケル・ブルックの戦いぶりに注目しているということですね?
「しています。最近のゴロフキンの相手は鼻からビビっている。だから、そうじゃない戦いをブルックならしてくれるのではないかと期待しています」
――ゴロフキンの弱点はどんなところですか?
「パンチの振りが大きいので、うまく戦えば隙のないボクシングをするんですけど、ある程度振りが大きいと休む時間が多い。テンポはそんなに速くないので、テンポを狂わすというか、テンポのゆっくりしたところを突くのがいいかなと思います」
――ブルックがどう戦うかというところで、自分の作戦も見えてくると?
「すごく参考にすると思います」
――ブルックの勝機はスピード?
「スピード、テンポの差ですよね。ババンと打って動いてイラつかせて、ゴロフキンのゆっくりなテンポをどう崩すかですね」
――ずばり予想は?
「終盤にゴロフキンがTKOかなと思います。そんなに簡単にはいかず、ここ最近の試合の中では一番苦戦すると思います」
――今後のミドル級戦線はどういう展開になっていくと思いますか?
「ビリー・ジョー・ソーンダースを狙っているのは僕もですけど、カネロも狙っているという噂もありますし、そのあたりとゴロフキンとの統一戦になりますけど、そこに僕も混ざっていけるように頑張りたいです」
【香川照之が語るゲンナジー・ゴロフキンVSケル・ブルック】
――どういう試合展開になりそうでしょうか。
「ケル・ブルックが長い距離でずっと戦える選手だったら勝機があると思うのですが、お互い中間距離が一番得意であれば、そういうボクサーファイター同士だったらかみ合ってガツンと終わる可能性があります。タイプはかみ合う、距離はかみ合う、なおかつ体重差はあるとなると、ケル・ブルックは受けたことがないパンチを受けることになるなと思いますね」
――ケル・ブルックの良さはどこでしょうか。
「ガードの隙、パンチの後ろから思い切った右フック、左フックを鍵のように入れられる、シャープなパンチを入れられる黒人特有のバランスのいいすべてが及第点という選手。ウエルター級でいうと無敗のパンチャーであるという、ただ突出した何かがあるかというと、それはむしろ今後のキャリアにかかっていたはずなんですよ。この段階でなぜゴロフキンに挑戦しなければならないのかブルックに聞きたいくらいです。まだまだウエルター級でやり残したことがあるはずなので、スーパーウエルターでもやることがあるはずでいろんな面白味があったはずなんですが、勇気があったのか、どういうことでこの交渉がまとまったのか本当に僕も不思議だなと思う一戦です。魅力的な選手であることは間違いないのですが…」
――両者のパンチの特長は?
「ブルックはスピードもあってすごくシャープだけれども、パンチの角度には思い切った想像力以外の角度というか、そんな角度でくるんだというプラスアルファの創造性というのはそれほどない。そういう意味ではまとまった選手だとは思います。ゴロフキンは、唯一目の前で見たマルコ・アントニオ・ルビオの試合は、脳天を上から打ち下ろして倒しました。あんな角度で効かせるというのはなかなか。それが普通のコンビネーションの中で打っているわけですよ。1発の得意な特殊なパンチを打つためだけでなく、自然なコンビネーションの中で創造性のあるパンチを繰り出すのがゴロフキンの強さだと思います」
――盤石なゴロフキンを含め、サンダース、村田選手と今後ミドル級はどうなるでしょ
うか
「ゴロフキンが階級を上げたり下げたりすることはなさそうなので、80年代のハグラーのような高い壁がそびえる状態。WBOにサンダースがいるおかげで少し風穴は空いていますが、もちろんそこしか狙い目がないことはわかっている中で、ゴロフキンが今後どうなっていくか。ミドル級は本当にゴロフキン一色になっている。ミドル級というと彼の水色と黄色の国旗がミドル級の色に見えてきていて、そこに違う色が入るすき間はないのかと。ただ我々には村田選手がいる。どうにかWBOから獲っていただいて、ゴロフキンと対等に戦えるのだというニュアンスをアメリカ国民に植えつける選手になっていただきたい」
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