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清水 圧勝KOデビュー!村田追いかけ30歳の“第一歩”

[ 2016年9月5日 05:30 ]

デビュー戦勝利をラウンドガールに祝福される清水

58・0キロ契約6回戦 ○清水聡 KO5回2分13秒 韓国フェザー級王者・李寅圭●

(9月4日 神奈川・スカイアリーナ座間)
 ロンドン五輪バンタム級銅メダリストの清水聡(30=大橋)がプロデビュー戦をKOで飾った。韓国フェザー級王者の李寅圭(24)を相手に1、2回に左右のフックでダウンを奪い、5回2分13秒、強烈な左ボディーアッパーで倒した。アマチュアとプロの違いを肌で感じながら、今後に向けての手応えと課題を得た。

 アマチュアの160試合では感じたことのない手応えだった。5回。清水の左ボディーアッパーが鈍い音を立てると、韓国フェザー級王者は膝から崩れた。五輪銅メダリストが8オンスグローブに替えてKOデビュー。「判定までいくと思ったが、いいボディーが入った。倒れてよかった。ベタですけど勝ってホッとしている」と安堵(あんど)の笑みが広がった。

 初出場の08年北京、銅メダルを獲得した12年ロンドンに続く3大会連続五輪出場を目指したが、リオデジャネイロ五輪は1月の代表選考会で敗れた。「4年後(東京五輪)を目指すモチベーション(を保つこと)は難しい」とプロ転向を決意。7月29日のプロテストに合格し、その37日後にプロのリングに立った。1回に左フック、2回は右フックと、いずれもカウンターでダウンを奪ったが、アマとは注目度が違うリングに「最初は硬かった」という。

 「トップスピードで当たってない。2回は相手に付き合った。打ち合ったところはいい経験」。快勝にも次戦への課題をつかんだ。大橋会長は「ボディーで10カウントは凄い。デビュー戦としては上出来」と合格点を与えた。自身は「今回に向けてやってきたことについては80~90点。あとは慣れ」と振り返った。

 テレビ中継のゲスト解説を務めた村田諒太はアマチュア時代に一緒に日本代表として戦ってきた仲間。プロでも刺激し合っていきたいと考えている。「自分が追いかけて、あいつが逃げていく。いい感じでいければ」と未来図を描いた。

 次戦以降はフェザー級(リミット57・1キロ)で戦う見通しだ。「ロンドンで獲ったメダルがかすまないように」。紛失したことのある銅メダルよりも大きく輝くベルトを獲得すれば、なくすことはないはず。30歳が新たな挑戦の一歩を踏み出した。

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