河野　涙のＶ２！！かつての練習相手が“引導”

亀田興毅に判定勝ちし、ガッツポーズする河野公平

ＷＢＡ世界スーパーフライ級タイトルマッチ１２回戦 ○王者・河野公平＜判定３―０＞●挑戦者・亀田興毅

（10月16日 米シカゴＵＩＣパビリオン）
　王者・河野は激しい打ち合いの末、ベルトを死守した。「僕はポイントを取るのがうまくないから判定では勝てないと思っていた。終盤はもう死んでも仕方ないと思ってやっていた。米国は公平だなと実感しました」。２回に右ストレートでダウンを奪い、中盤以降も持ち味の手数を緩めることなく、判定で明確な差をつけた。

　５月に練習で左肋骨を骨折し、１年近く実戦から遠ざかった。初の海外での試合で下馬評は圧倒的不利だった。それでも３月に結婚した芽衣夫人（３５）が見守る中で勝利し「嫁もプレッシャーがあっただろうに、ずっと支えてくれた。結婚してよかった」と目に涙を浮かべて喜んだ。

　日本ランカー時代、まだ世界王者にもなっていない大毅や和毅の公開スパーリングに日当１万円で呼ばれた。「あの時はお金がもらえて練習できるなんて、うれしくて仕方なかった」。かつて亀田家の練習相手だった男が亀田３兄弟の顔である興毅を初めて破った日本人となった。自らに挑発を続けた興毅の引退を聞くと「１０代からテレビに追われて大変だっただろう。試合前はそこまで言うかと思ったが、本当はいい人なのかなとも感じていた」と思いやった。