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帝里“ホロ苦”初世界 長身相手に完敗「ふがいないの一言」

[ 2014年7月19日 05:30 ]

<帝里木下×ゾラニ・テテ>>8R、ゾラニ・テテ(右)に倒れかかる帝里

 IBF世界スーパーフライ級王座決定戦が18日、神戸ポートピアホテルで行われ、同級6位の帝里木下(28=千里馬神戸)は12回判定0―3で同級1位のゾラニ・テテ(26=南アフリカ)に敗れ、王座獲得に失敗した。長身の相手に有効な攻め手を見いだせず、憧れの元世界王者・徳山昌守氏に続く初挑戦での世界奪取はならなかった。

 終了のゴングが鳴り響くと、帝里は無力感に打ちひしがれた。「情けない。何もできず、ふがいないの一言」。打開策を見いだせないまま初体験の12回が終わった。

 速い右ジャブの対応に苦慮した。身長で4・5センチ、リーチで11センチも上回る相手の懐に飛び込めない。1回に強烈な右をもらうなど逆にプレッシャーをかけられじりじり下がる展開。気持ちは焦るが、攻め手はない。残り2回から積極性を見せたが、遅かった。「(体力は)残っていた。もっと出せることがあったはずなのに。力不足です」。ジャッジ1人が10点差、2人が8点差の完敗。反論する材料はなかった。

 競技に魅せられたのは暑い夏。00年8月27日、徳山昌守が不利の下馬評を覆してチョ・インジュ(韓国)に判定勝ちし、WBC世界スーパーフライ級王座を獲得した。中学生だった帝里は大好きだったサッカーを忘れるほど胸を打たれ、リング上に将来の自分を想像した。しかし、夢の舞台で厳しい現実に直面。「世界との距離を感じさせられた。心を落ち着かせ一から出直します」。このまま終わるわけにはいかない。 

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