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内山 爆発ボディーKO「ズボッじゃなく、バキッと入った」

[ 2013年5月7日 06:00 ]

5回、ハイデル・パーラに左ボディーを決めてキャンバスに沈めた内山高志

プロボクシング WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦 王者・内山高志 KO5回2分15秒 ハイデル・パーラ

(5月6日 東京・大田区総合体育館)
 WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦は、王者・内山高志(33)が同級9位のハイデル・パーラ(30)を左ボディー1発で仕留め、5回2分15秒でKO勝ち。日本ジム所属選手歴代5位タイとなる7連続防衛に成功した。

 恐ろしいほどに衝撃的なKOシーンだった。5回。内山は左ボディーがローブローの注意を受けたものの、ちゅうちょしなかった。右フックで顔面を捉え、ガードが甘くなった相手の右脇腹にこん身の左の一撃。パーラは表情をゆがめ、背中からマットに崩れ落ちた。あまりの苦痛にもん絶。負傷引き分けの1戦以外は世界戦全てKO決着の「KOダイナマイト」の1発が大爆発した。

 「スパーリングで95%倒していたパンチ。狙ってました。ズボッじゃなく、バキッと入った」

 左ボディーは今もっとも得意とするパンチだ。格闘家の魔裟斗らも師事した土居進トレーナーの下、週2回3時間ずつのトレーニングを続けている。1年前から「海外のパワーのある選手とぶつかった時に対抗できる力をつけたい」とスタミナ強化にパワー強化も加えた。以前はボクシング界でタブー視されていたウエートトレーニングも導入。土居トレーナーは「肩周りの厚みが増した。特に左フックは体重が乗って以前より重くなった」と言い、スパーリングでは14オンスの重いグローブでの左フックで相手を次々と倒した。適度に筋肉がついて基礎代謝が上がることで、減量も楽になっている。「きついなと思った時はうれしいですよ」とMっ気たっぷりに追い込むトレーニングが33歳となっても進化を続ける理由だ。

 試合後、リングサイドで観戦していたWBC王者・三浦隆司(帝拳)に「(2年前に勝った)前回より強くなっている。チャンスがあればやりたい」と再戦のラブコールを送った。アテネ五輪金メダリストのユリオルキス・ガンボア(キューバ)がライト級に転級し、一つの目標を失ったが、他団体との王座統一も視野に入ってきた。ラスベガス進出も諦めていない。「自分が強くなってアピールすることで、おのずといろんな道が開ける」。その拳でチャンスをつかんでいく。

 ▼パーラ 内山は凄く強かった。相手には経験もあったから、こういう結果になった。再戦があるなら、それを十分生かして勝ちたい。
 

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