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7代目「007」?井岡、秘密兵器で初防衛狙い撃ち

[ 2013年5月1日 06:00 ]

敵の急所を狙い撃つスナイパーのようにリングシューズを構える井岡一翔

WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ 王者 井岡一翔―同級2位 ウィサヌ・ゴーキャットジム

(5月8日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 銀髪のボンドが鮮やかな手際でミッションを成功させる!井岡一翔が30日、大阪市内のジムでスパーリングを公開した。初防衛戦で目指すのは、自身が好きなスパイ映画「007」の主人公、ジェームズ・ボンドのような戦いぶり。ここまではボンドのようにさまざまなアイテムを駆使し、ライトフライ級2戦目で前回をしのぐ絶好の仕上がり。事もなげに敵の急所を狙い撃つ。

 あくまで自然体だ。だが、みなぎる自信をストレートに表現すれば強気な内容になる。「もちろん勝ち方は意識します。ジェームズ・ボンドみたいに何事もなかったかのように勝ちたい」。標的の急所を的確に狙い撃ち、息も乱さず試合を終える。井岡の口から完勝宣言が飛び出した。

 スパイ映画「007」シリーズが好きで、映画館に足を運んだりDVDでも観賞している。歴代ボンドの中でも“金髪のボンド”と呼ばれる6代目のダニエル・クレイグがお気に入り。「役者としても好きだし、スーツの着こなしもいい」。ボクシング界の“おしゃれ番長”を自任する若き王者にとって、見栄えも重要なポイントだ。初防衛戦に向け、自らは銀髪に見えるアッシュ(灰色)系でスマートにキメた。「チャンピオンの品格も大事。それを損なわないようにカッコよさを表現したい」。ミズノ社製のシューズは黒地に青のライン、水色のスパンコールをあしらったもの。髪形も含め、トータルでリングでの姿をイメージして用意した。

 007と言えば「Q」が提供するさまざまな新開発アイテムが欠かせないが、陣営もアイテムは準備できている。叔父の元世界2階級王者・弘樹会長は自ら企画した「井岡ボクシエットジェル」を用意。発汗促進効果があり、スムーズに減量できるという。父・一法トレーナーは医師などの意見を参考にさまざまなサプリをそろえているが、今回は6階級王者マニー・パッキャオ(フィリピン)も愛用するという粉末茶葉を入手した。

 英国情報部にひけを取らない結束力で仕上がりは万全。この日の3回のスパーでは巧みに上下に打ち分け、ブロックからの反撃など軽快な動きを披露した。練習後の計量では51・0キロで、リミット(48・9キロ)まで約2キロと減量も順調。和製ボンドがミッション完遂のため、着々と準備を進めている。

 ▽ジェームズ・ボンド 英国の作家イアン・フレミング原作のスパイ小説・映画「007」の主人公。英国情報部のエース諜報(ちょうほう)員で、007がコードネーム。映画は1962年公開の「ドクター・ノオ」から現在まで24本製作(24作目は未公開)され、初代はショーン・コネリーが演じた。6代目のダニエル・クレイグは歴代初の金髪で、21作目のカジノ・ロワイヤルから登場している。Qは奇想天外な装備があるボンドカーをはじめ、新開発兵器やアイテムを提供する。

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