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粟生、23秒にらみ合い!V4達成なら海外進出へ

[ 2012年10月26日 06:00 ]

挑戦者のディアス(左)とにらみ合う粟生

WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ 粟生隆寛VSガマリエル・ディアス

(10月27日 東京国際フォーラム)
 世界戦の調印式が行われ、帝拳ジムの本田明彦会長(65)が王者・粟生隆寛(28=帝拳)が4度目の防衛に成功した場合、5度目の防衛戦を海外で行うと明かした。対戦相手は、WBC世界スーパーフェザー級1位セルジオ・トンプソン(28=メキシコ)か同2位ディエゴ・マグダレノ(25=米国)が有力で、メキシコか米国での開催を予定している。王者は調印式で勝利宣言し、同門のWBC世界スーパーバンタム級名誉王者・西岡利晃(36)が開いた夢の扉へ突き進む覚悟を示した。

 “前哨戦”は珍しく鬼の形相だった。時間にして23秒。カメラマンのリクエストに応じた粟生は世界戦で初めて対戦相手と真っ向からにらみ合った。「(ディアスに)にらまれてイラッときた。(にらみ合いでも)負けてはいられない」。難敵を前に不退転の決意をのぞかせた。

 強豪に勝利すれば、夢プランが現実のものとなる。粟生の指名試合の開催期限は来年の4月。本田会長はこの日「防衛回数を増やせばいいというものではない。アウェーは大変だが、選手を一つ上のステージへ上げてくれる」と王者が熱望する海外進出を実現させることを明かした。

 日本人王者が海外でベルトを守ったのは過去に3度しかない。それでも粟生は、いばらの道を選択した。13日に米カーソンで行われた西岡―ドネア戦を自宅観戦し「ボクサーとしてうらやましかった。自分もいつかはあの舞台に立ちたい」と熱い思いを打ち明けた。頭に描くのは09年5月、尊敬する西岡が敵地メキシコでジョニー・ゴンサレスをKOした場面だ。その再現をもくろむ粟生は「(帝拳)ジムにいる現役王者(粟生、山中、五十嵐)の中で一番先輩になった。引っ張っていけるように頑張る」ときっぱり。海外雄飛への腹をくくった。

 ≪V5戦はメキシコか米国≫5度目の防衛戦は、メキシコでのトンプソン戦が有力だが、米国でマグダレノ相手に行う可能性もある。トンプソンは今年3月に元2階級制覇王者ホルヘ・リナレス(帝拳)とのWBA世界ライト級挑戦者決定戦に勝利したが、ライト級ではなくスーパーフェザー級1位となった。1位から2位に格下げされたマグダレノ側は、これを不服とし「粟生への挑戦権を主張している」と本田会長。ライバルのWBA王者・内山高志(32)との統一戦は海外防衛に成功した次戦となりそうだ。

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