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西岡“小次郎”LA巌流島「必ず勝つ」そしてジム開く

[ 2012年10月13日 06:00 ]

Vの字となった噴水をバックにポーズを決める西岡

WBCダイヤモンド・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦 西岡利晃VSノニト・ドネア

(10月14日 米カリフォルニア州カーソン ホーム・デポ・センター)
 西岡利晃が11日、米ロサンゼルス市内で行われた会見に臨み、引退後に国内にジムを開くことを明言した。宮本武蔵になりきるドネアが“巌流島の決闘”と位置づけた王座統一戦に臨む小次郎・西岡。勝てば、WBCダイヤモンド、WBO、IBFに加えて、米リング誌のベルトも手に入る。近い将来に迎える“第二の人生”に向けて、過去最強の難敵を自慢の左ストレートで斬る。

 ドネアとの対面を避けるため、時間を空けて行われた試合2日前の記者会見。西岡は引退後の人生設計について初めて口を開いた。外国人メディアから質問されると「日本でボクシングジムをやります」と言い切った。約9000キロ離れた日本から来た日本人記者30人も初めて耳にするプランだった。

 帝拳ジムの浜田剛史代表によると、04年3月に4度目の世界挑戦に失敗した後、本田会長から引退してジムを開くことを勧められていたという。ドネア戦がラストマッチとなる可能性がある中、今年に入って美帆夫人と長女・小姫ちゃんが住む尼崎市内に一戸建てを構えた。現役生活では東京での単身赴任が続いただけに、新たな人生はマイホームから“仕事場”に通うのが理想。愛弟子の西岡のジム設立計画に協力的な姿勢を示す本田会長は、本家の傘下となる「尼崎帝拳」のジム名に軽くうなずいた。

 ドネアに勝てば、ジムの看板には「3団体統一王者」の文字が光る。さらに、今回はボクシング界で最も歴史と権威のある「リング誌」が認定したベルトも懸かっているだけに、4本のベルトが飾られることになる。勝つか負けるかの一発勝負。結果はジム経営にも大きく影響すると言っても過言ではない。西岡は「これ以上大きい試合はない。集大成としてボクシングをやり尽くすつもりで練習をしてきた。判定でもKOでも必ず勝つ」と力強く宣言した。

 西岡に遅れること30分。ドネアは身長2メートルほどのボディーガード3人に囲まれながら会見場に現れた。4階級制覇王者でありながら、低姿勢で最後まで笑顔を振りまいていたドネアに対し、本田会長は「本当にいいやつだ。リング上でも最後までいいやつでいてくれないかな」とつぶやいた。「最後までいいやつ」の言葉には、もちろん西岡の勝利を願う気持ちが込められている。そんな会長の期待も裏切るわけにはいかない。「一瞬たりとも気を抜かず、集中して自分のプランを遂行する」。こん身の左ストレートを武器に“巌流島の決闘”を制す。

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2012年10月13日のニュース