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西岡 必殺左ストレート強化へ「KOグローブ」投入

[ 2012年10月4日 06:00 ]

黙々とサンドバッグを叩く西岡

WBCダイヤモンド・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦 WBC名誉王者西岡利晃(36・帝拳)―WBO・IBF王者ノニド・ドネア(29・フィリピン) 

(10月13日 米カリフォルニア州カーソン)
 西岡が新兵器を携えて敵地に乗り込む。渡米前日の3日、都内の帝拳ジムで、ドネア戦に向けた国内での練習を打ち上げ、過去最高の仕上がりをアピール。ドネア撃破に向け、ハードパンチャー用に改良された「KOグローブ」で臨むことも判明した。得意の左を最大限に生かせる最強の武器を装着し、難敵を粉砕する。

 3本のベルトが懸かる世紀の一戦に、西岡がハードパンチャー用に改良された新型グローブを投入することが分かった。関係者によると、武器である左ストレートの威力を発揮するため、昨年10月の防衛戦で使用した米グラント社のものから拳の部分を約5ミリ薄くした改良型を選択。薄くなっただけでなく、素材となるスポンジに馬の毛を織り交ぜることで軟らかさも増し、結果として相手にパンチのダメージが伝えやすくなった。グラント・ジャパンの担当者も「(史上初の4団体統一王者の)バーナード・ホプキンスさんなど、パンチに自信がある人が使用しています。KO必至で西岡さん向きです」と太鼓判を押した。

 左拳に不安を抱えていた西岡は昨年10月の防衛戦に、メキシコ・レイジェス社製から、衝撃の吸収力に優れたグラント社製のグローブに替えて挑んだ。ただし、拳をガードする意味合いもあったため以前よりパンチの威力は低下し、KOを逃した。それから1年、試合間隔を空けたことで西岡の拳は丈夫になり、「全く不安はない」と強調。ドネアとの倒すか倒されるかのタイマン勝負にふさわしい薄型の秘密兵器を手にすることができた。

 国内最後の練習となったこの日は空手出身で、ドネアと同じく左右の打ち分けができる若手の佐々木洵樹(21)をスパーリング相手に指名。仮想ドネアを左アッパーでぐらつかせ、ミット打ちでは、ジムの本田会長が「理想的なストレートの形」と絶賛するフォームで快音を響かせた。「日本での練習は本当にいい練習ができた。(試合のリング上で)自分の手が上がるまで油断はできない」と西岡。4日に敵地に向けて出発するが、機内に持ち込むトランクの中で最も輝きを放っているのはトランクスでなく新グローブだ。

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