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内山 具志堅氏に並ぶ!世界戦6連続KOの日本タイ狙う

[ 2012年7月16日 06:00 ]

王者の内山(右)と挑戦者のファレナスは、計量を一発でパスしファイティングポーズを取る

WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦 王者・内山高志―マイケル・ファレナス

(7月16日 ウイングハット春日部)
 プロボクシングのダブル世界戦は16日、埼玉・ウイングハット春日部でゴングを迎える。15日は都内で前日計量が行われ、WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(32=ワタナベ)は挑戦者で同級6位マイケル・ファレナス(28=フィリピン)と同じ、リミットいっぱいの58・9キロで一発パスした。故郷の埼玉県春日部市で5度目の防衛戦に臨む王者は挑戦者をKOすれば、元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏(57)の持つ、世界戦6連続KOの日本記録に並ぶ。昨年大みそかに暫定王者ソリス(メキシコ)をKOした左パンチで新たな歴史を刻む。

 大記録がかかる大勝負を目前に控え、王者は思わず武者震いした。内山は10年1月の世界初挑戦で王者サルガド(メキシコ)を12回TKOで破って以降、4度の防衛戦全てでKO勝利。きょうファレナスをKOすれば、具志堅氏の持つ、世界戦6連続KOの記録に並ぶ。この日「自分の記録に並んでくれ!」と関係者を通じて具志堅氏からの激励を受けると「光栄です。期待に応えられるように頑張ります」と力を込めた。

 利き手の右の剛腕に加えて、「左」も進化を遂げている。昨年1月の3度目の防衛戦で利き腕の右拳を脱臼し、直後3カ月間の練習は左に限定された。結果的に左を効果的に使えたことが4度目の防衛成功を呼び、内山はその後も私生活で「サウスポー」を実践。今でも、食事では左で箸を持ち続け、「もっと(左は)パワーアップしている」と手応えをつかんでいる。

 世界初挑戦前から続けてきた有酸素系中心のトレーニングに加え、今回は初めてウエートトレを導入。徹底して背中と下半身を鍛えた。土居進フィジカルトレーナーは「背中を鍛えるのはパンチを放った時の衝撃を拳だけでなく背中でも受け止めるため。圧力の強い選手と対戦しても押し負けないように下半身も強化した。それが全体的なパンチ力強化にもつながります」と説明した。

 いつになく自信に満ちあふれている王者は「こんなところで負けるわけにはいかない」と胸を張る。この日、昨年大みそかの王座統一を記念し、WBAからもう一本のレプリカ版のベルトが贈られた。かつて、13度防衛の日本記録を持つ具志堅氏も故郷沖縄の凱旋試合ではベルトを守れなかった。日本人ファイターにとって鬼門となっている凱旋試合。壁をぶち抜くのは、トレードマークとなった「左」だ。

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2012年7月16日のニュース