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クリチコ兄弟、ヘビー級制圧!全ベルト独占 

[ 2011年7月4日 06:00 ]

兄弟で世界ヘビー級の全ベルトを独占し、兄ビタリ(左)と喜ぶウラジミール・クリチコ

 ボクシングの世界ヘビー級統一戦が2日、ドイツ・ハンブルクで行われ、IBFとWBO、IBOの王者ウラジミール・クリチコ(35=ウクライナ)が3―0の大差判定でWBA王者のデビッド・ヘイ(30=英国)に圧勝した。WBCでは兄ビタリ・クリチコ(39=ウクライナ)が王者となっており、クリチコ兄弟が主要4団体とIBOを含めた5つのベルトを独占した。

 “ドクター・スチールハンマー”の異名を持つクリチコは左のジャブとフックでヘイの動きを止め、身長で9センチ、体重で14キロ上回る体格差を生かして付け入る隙を与えなかった。採点は117―109、118―108、116―110。5万人のファンは、ハンブルク在住の王者の勝利を大きな拍手で祝った。

 「50回目のKO勝利を飾れなかったのが残念。でも夢がかなった。ヘビー級の全てのベルトを獲得したんだからね」。リング上では兄ビタリと抱き合って“天下統一”の喜びを共有。兄弟同士の対決は拒否しているために次期統一戦は実現しないが、かつて米国勢が隆盛を誇っていたヘビー級は“クリチコ家”によって制圧された。

 <防衛失敗のヘイ…がっくり白旗>WBAで3度目の防衛に失敗したヘイは「KOしたかったが、やりたかったことが何もできなかった。それが悔しい」とがっくり。スリップして何度もキャンバスに倒れ込むなど、いつもの勇姿は全く見られなかった。戦前には「ペンキが乾くのを見ていた方が楽しい」とクリチコのボクシングを酷評。しかし、敗れたあとは「彼は大きくて強く、効果的なパンチを放っていた」と白旗を揚げていた。

 ◆ウラジミール・クリチコ 1976年3月25日生まれ、カザフスタン出身の35歳。96年アトランタ五輪スーパーヘビー級で金メダルを獲得。00年にWBO、06年にIBFとIBOのタイトルを獲得していた。タイトル戦での通算成績は17勝2敗。身長2メートル0、今回の計量では110キロ。

 ◆ビタリ・クリチコ 1971年7月19日生まれ、キルギス出身の39歳。キックボクシングで世界タイトルを奪取も、国際式に専念。99年WBO、04年WBC王座獲得。05年に一度は引退したが、08年に復帰してWBC王座を再奪取。この時点で史上初の兄弟同時ヘビー級王者となった。現在防衛6回。2メートル2。

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2011年7月4日のニュース