阪神・岩崎、来季“球児超え”の球団日本選手初2年連続セーブ王へ「まあ、獲れるように頑張ります」

[ 2023年11月22日 05:15 ]

契約更改を終えた阪神・岩崎(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 昨年オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使して4年総額8億円の契約をした阪神・岩崎優投手(32)が21日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸2億円でサインをした。今季は35セーブを挙げて自身初のタイトルとなる最多セーブを獲得し、プロ11年目の来季は球団の日本選手初となる2年連続のセーブ王に挑む。鉄腕列伝に名を刻むべく、レジェンドの藤川球児に並ぶ「8年連続40試合以上登板」も視界に捉えた。

 岩崎は日本一の喜びも、最多セーブの喜びもほどほどだった。昨年オフに複数年契約を結んだことで現状維持の2億円でサイン。「タイトルはつないでくれた投手、点を取ってくれた野手のおかげ」。今季を淡々と振り返った。既に視線は来年に向いていた。

 「タイトルはもちろん獲れたらと思うけど、あまり気にしないですけどね。まあ、獲れるように頑張ります」

 球団史上初の連覇が懸かる24年は、偉大なOBに追いつけ追い越せの1年になる。今季達成した「鉄腕記録」の7年連続40試合以上登板を8年に伸ばせば、05~12年にマークした藤川球児に並ぶ。さらに2年連続で最多セーブに輝けば、藤川さえも成し遂げていない球団の日本選手初の偉業になる。

 高給を手にする今でも自分や家族へのご褒美は「やったことがないのでわからない」という無欲タイプのためか、来季の役割についても「(希望は)ないです。大事なところを任されると思っているので、それが9回だろうが、8回だろうが、7回だろうが、一緒だと思っている」と願望を口にしないものの、守護神最有力の立ち位置は変わらない。この2年はシーズン開幕を中継ぎで迎えながら、最終的にストッパーの役割を果たした。タフさと安定感を併せ持つサウスポーの存在感は、契約が大筋合意に至った最速164キロ右腕の新外国人・ゲラ、湯浅を一歩リードしている。

 主力は12月に交渉のテーブルに着くのが通例ながら、金額面に大きな変化がないことから、サインも完了して一段落した。38年ぶり日本一からまだ1カ月もたっていないにもかかわらず、「もう休ませました。肩は。もう動いています」と既に歩みを進めていることを明かした。ブルペンリーダーの役割も継続しつつ「まずは自分が成績を出して引っ張っていけるようにと思っていたし、来年以降もそういう思いでやっていきたい」ときっぱり。来年6月には33歳を迎える。ベテランの域にさしかかっても向上心は衰えない。本人が望んでいなくても、名ストッパーへの道を一歩ずつ進んでいる。(倉世古 洋平)

 ≪「8年連続40試合以上登板」も視界≫
 ○…岩崎(神)は35セーブを挙げ、初タイトルとなる最多セーブを獲得。球団左腕では1977年の山本和行以来、46年ぶり2人目で、表彰対象期間では岩崎が初めて。1976~2004年にセーブポイント(救援勝利+セーブ)が表彰対象だった「最優秀救援投手」は、1982、84年に山本和行、85年に中西清起が受賞している。
 ○…岩崎は7年連続で40試合以上に登板。球団では小山正明(7年=56~62年)、江夏豊(9年=67~75年)、藤川球児(8年=05~12年)以来4人目で、救援のみでは藤川に次いで2人目。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

野球の2023年11月22日のニュース