警察に直前まで拘束もシェフラー、4位浮上の鬼メンタル 大会遅延の情報で留置場ではストレッチ

[ 2024年5月19日 03:00 ]

米男子ゴルフツアー 全米プロ選手権第2日 ( 2024年5月17日    ケンタッキー州バルハラGC=7609ヤード、パー71 )

拘束された自身の写真がプリントされたTシャツを着るギャラリーの前を歩くシェフラー (AP)
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 会場近くで17日に起きた交通死亡事故の発生後、現場付近を車で通過した世界ランク1位のスコッティ・シェフラー(27=米国)が警察の指示に従わなかったとして一時拘束されながらも釈放後の第2ラウンド(R)で66と伸ばし、通算9アンダーの4位に浮上した。松山英樹(32=LEXUS)は第2Rベストの65をマークし、通算7アンダーの12位。事故の影響でスタートが遅れて日没順延となった第2Rはこの日、未消化分を終えた。

 観客からの「スコッティ」コールが鳴りやまない。シェフラーは出だし10番パー5で第3打を90センチに寄せてバーディー発進。計6バーディーを奪い、優勝争いに加わってきた。前代未聞のアクシデントを乗り越え、強じんすぎるメンタルを見せつける66だった。

 直前まで拘束されていた。発端は早朝の交通死亡事故。午前5時頃に大会関係のバスと歩行者が接触し、会場周辺は交通規制で大渋滞。現場付近を車で走行していたシェフラーは警察の指示に従わなかったとして同6時1分に拘束、手錠をかけられ連行された。留置場では「ショックと恐怖で体が震えた」と言う。だがそこで自身のテレビニュースを目撃。大会遅延の情報を確認し「もしかしたら出られるかも」とストレッチを始めたという。

 午前8時40分に釈放され、9時過ぎにコースに到着、何とか午前10時8分のスタートに間に合った。平常心に戻るには数ホールかかったが、会場では囚人服を着たシェフラーの写真が印刷されたTシャツ姿のファンにも勇気づけられた。「ファンからの声援は僕にとって大きなものだった。混沌(こんとん)とした状況で大きな誤解があった。まだ頭が混乱しているよ」と話した。

 会見の冒頭では「事故で亡くなった方にお悔やみを伝えたい。その家族のことを考えると自分に起きたことはなんでもないこと」と神妙に語った。マスターズを含め今季4勝の27歳は今月上旬に第1子が誕生したばかり。留置場でも準備を怠らず「自分をコントロールしてプレーができたのは良かった。ここからは普段通りのルーティンに戻りたい」と週末の戦いに気持ちを向けた。

《発熱何の! 松山は第2Rベストタイの65》
 21年マスターズ覇者の松山が第2Rベストタイの65をマークするチャージを見せ、47位からリーダーボードを駆け上がった。3番で4メートルを沈めてバーディーを先行させ、前半で3つスコアを伸ばす。12番ではグリーン手前からチップインバーディーを奪うなど、後半も3つスコアを伸ばした。22パットだったグリーン上を含め武器のショットとショートゲームがかみ合った。
 実は17日は朝から発熱していたという。前週から悩まされる背中痛をプレー中に気にする様子がなかったことは幸いだが、体調不良もあってかラウンド中は険しい表情も見られた。スコアを提出すると、すぐに車に乗り込みコースを後にした。上位で迎える決勝ラウンドに向け、まずは体調を整える。

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