プロテインを使ったファスティングダイエットの効果とやり方[医師監修]

[ 2024年3月30日 09:00 ]

「ファスティング(断食)」。体の中の不要なものを排出しながらダイエットできるとして、健康や美容を気にする人たちから人気です。

ファスティングダイエットは、短期間で実践できて、つらい運動も必要ないので「ダイエットしたいけれど続かない」「痩せたいけれど運動は苦手」という人でも挑戦しやすい方法です。また、普段から食べすぎている人は胃腸を休める機会にもなります。

今回は、プロテインを使ったファスティングダイエットについて、やり方や効果を解説していきます。はたして、酵素ドリンクではなくプロテインを使うメリットとは。

解説は、自身も筋トレやプロテインを嗜む、健康塾クリニック院長で日本内科認定医・日本循環専門医の鳥越勝行先生です。

ファスティングダイエットとは

ファスティングとは、日本語で「断食」という意味があります。

ファスティングダイエットは、その名の通り、一定期間食べないダイエットのこと。消化器官など内臓を休めることができるので、体がリセットされて、心身ともにスッキリするといいます。

断食といっても「水しか飲まない!」というストイックなものとは違い、酵素ドリンクをはじめとした栄養豊富な飲み物やサプリメントを活用し、必要な栄養はしっかり摂りながら行う「プチ断食」です。

ファスティングでプロテインを使うメリット

ファスティングのお供にプロテイン。どんな効果やメリットがあるのでしょうか?

タンパク質を補給できるプロテインは、ファスティングを無理なく続けやすいようにサポートしてくれる強い味方です。

腹持ちが良く、空腹を紛らわせてくれる

腹持ちが良く、空腹によるストレスを感じにくくなります。

とくに大豆などを原料としたソイプロテイン(植物性プロテイン)は消化吸収がゆっくりであるため、腹持ちが良く、空腹感の軽減につながります。

筋肉を維持しながらファスティングできる

タンパク質は筋肉の材料になる栄養素です。ファスティング中はどうしても筋肉量が減ってしまいがちですが、プロテインでタンパク質を補ってあげることで筋肉量の減少を食い止めることができます。

◆痩せたいなら筋肉量は落とさない

「筋肉があるとたくましい、太って見えそう」「筋肉太りしたくない」なんて思う人もいるかもしれませんが、筋肉はカロリーを消費するために大切な存在です。

筋肉が多いほど基礎代謝が上がり、カロリーを消費しやすくなります。

基礎代謝とは、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、生きるために使われるエネルギーのこと。基礎代謝が高いと、寝ているときや座っているときなどの静止時でもしっかりとカロリーが消費され、痩せやすい体につながります。

逆に、筋肉が減ってしまうと基礎代謝が下がり、消費カロリーも減少。その結果、太りやすくなってしまいます。そのためファスティング中も、筋肉が減らないようにプロテインでタンパク質を補ってあげるとよいでしょう。

血糖値の急上昇を防ぐ

ファスティング中は、空腹になる時間が長くなります。長い空腹の後に食事を摂ると、血糖値が急上昇して、血糖値を下げる働きをするインスリンが大量に分泌されます。大量のインスリンは体に悪影響を起こします。

そこでソイプロテイン。ソイプロテインは他のプロテインより吸収が遅く、血糖値が急上昇しにくいので、ファスティング中にもおすすめなのです。

プロテインを使ったファスティングのやり方

まずはおさらい! 基本のファスティングのやり方

ファスティングは、準備期間、ファスティング(断食)期間、回復期間の3つの段階に分けて行います。

いきなり断食を始めると、空腹感が強くなる、脂肪を溜め込みやすい体になってしまうこともあるので、ウォーミングアップの期間(準備期間)が必要なのです。

また、断食後もいきなり普段の食事に戻してしまうと、胃腸に負担がかかるので、徐々に慣らしていくための復食期間を設けましょう。

1日3食、プロテインに置き換えよう

いよいよプロテインを使ってファスティングを行っていきます。

  • 準備期間:和食中心の食事
  • ファスティング期間:プロテイン
  • 回復期間:スッキリ大根やお粥などの胃腸に優しい食事

普段の食事を、3食プロテインに置き換えましょう。準備期間、回復期間は通常のファスティングと同じやり方です。

ファスティング(断食)後の回復食、3日間のメニュー例!回復期に食べていいもの、食べてはいけないもの

1回あたりどのくらいの量を飲めばいい?

1食あたり20gくらいのタンパク質が摂るのがおすすめです。

1日に必要なタンパク質の量は、体重×約1g(成人の場合)と言われています。体重60kgの人なら1日に60g。この量を3食に分けると、1食あたり約20gになります。

自分の体重に合わせて計算して、過不足しないように摂りましょう。

どのプロテインを選べばいい?

ファスティング中のプロテインは、ソイプロテインがお勧めです。体内への吸収が比較的遅く、急激な血糖値上昇が少ないためです。そのため、空腹感が少なくなります。

ソイプロテイン、おすすめはコレだ!マニアが選ぶポイント&味の感想つき

次:ファスティング中、空腹に耐えられないときはどうしたらいい?

ファスティング中のプロテイン、ここに注意!

お腹がゴロゴロする人は

 プロテインパウダーは水に溶けやすいように作ってあるため、空気をたくさん含んでいます。そのため、摂取後におなかが張ることがあります。

よく水に混ぜて、半日ほど置いておくと、おなかの症状が減ると思います。

【乳糖不耐症】プロテインでお腹を壊す…対処法は?|マッスルデリ管理栄養士が解説

酵素ドリンクと併用してもいい?

プロテインのみですと、ビタミン、ミネラルが不足します。適切なサプリメントや酵素ドリンクと併用するとよいと思います。

ファスティング中、空腹に耐えられないときはどうしたらいい?

ファスティングを開始してから16時間程度たっているなら、ファスティングの効果は出ています。そこで終了しても大丈夫です。

継続するなら、軽くナッツなどを摂取しましょう。心身にストレスが強いなら、かえって体を悪くします。無理は禁物です。

どのくらい続ければいい? ファスティングの期間

1~3日までがおすすめです。それだけで内臓を十分休めることができるからです。

よりファスティング効果を実感したい、脂肪を減らしたいという人は1週間以上行うこともありますが、その場合は専門家やプロの指導のもと行うのがよいでしょう。

ファスティング中は運動やサウナなどしてもいい?

軽い運動やサウナはいいと思います。サウナは脱水に注意しましょう。内臓を休めることが主な目的ですので、過度な運動は控えましょう。

プロテインを使ったファスティングのデメリット

プロテインのみですと、ビタミン、ミネラルが不足します。また、意外とカロリーも高いので、注意が必要です。

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まとめ

ファスティングを行うことで、胃腸を休め、消化に使われていたエネルギーを細胞の再生や修復のために使うことができます。

それにより胃腸の働きが整う、老廃物の排出、気分のリフレッシュ、味覚のリセット、そして痩せやすい体づくりに役立つでしょう。

執筆・監修者プロフィール

健康塾クリニック院長 鳥越勝行

日本内科認定医・日本循環専門医。健康塾クリニック院長。医師としてこれからも情熱を持って仕事をしていくために、大切なことを考えてきたときに、患者様が日常生活から健康的に楽しく生きていけるようにサポートしていきたいと思ったのです。地域の皆様が安心して生活できるように内科一般や小児科、発熱外来等の診療科を設けることはもちろん、日常生活における不安は何でも相談できる場所をつくりたいと考えました。医師として専門的なアドバイスは勿論、私自身が筋トレにずっと取り組んできたため最適な運動療法から食事療法まで日々の診療の中でお伝えし、健康づくりをサポートしていきたいと考えております。
公式サイト https://kenkoujuku-cl.com/

<Edit:編集部>

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