大橋悠依 パリでともに戦う若き競泳日本代表へ金言「“五輪には魔物がいる”と言うけど、多分いない」

[ 2024年3月30日 05:00 ]

<パリ五輪競泳女子日本代表囲み取材>記者からの質問に答える大橋悠依(撮影・大城 有生希)
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 パリ五輪競泳日本代表の大橋悠依(28=イトマン東進)が29日、日本代表合宿を実施中の都内で取材に応じ、パリでともに戦う若手に“金言”を授けた。21年東京五輪個人メドレー2冠の経験をもとに“五輪には魔物が潜む”との格言を一蹴。メンバー27人(男子14、女子13)のうち10代が6人を占める日本代表に、独特の雰囲気にのまれることなく自身の泳ぎに集中するよう提言した。

 経験則があるから、説得力がある。21年東京五輪で日本女子夏季五輪史上初の2冠を達成した大橋が五輪にまつわる格言を一蹴した。初代表13人。平均年齢22・85歳の若いチームに「よく“五輪には魔物がいる”と言うけど、多分いない。いると思うからいる」と助言。個人の好結果がチームに好循環を生むことも肌感覚で理解しており「年齢が上の方なので年下の子たちをサポートしたい」と自覚を口にした。

 初代表の17年世界選手権は怖いもの知らずで銀を獲得。メダル候補として臨んだ19年世界選手権は重圧に苦しみ、泳法違反による失格を経験した。21年東京五輪は決勝直前のアップ後にチームメートがプールサイドに置き忘れたゴーグルに気付くほどの冷静さを保ち、個人メドレー2冠。数々の大舞台を経て平常心の重要性を学び、「皆、緊張すると思うけど、思い切って自分のレースをしてほしい。うまくいかなくても死ぬわけではない」と強調した。

 大橋は今月の代表選考会で400メートル個人メドレーの出場権を逃し、パリは200メートル個人メドレーのみの出場。世界が進化する中で連覇やメダルは意識しすぎず、17年に自身がマークした2分7秒91の日本記録更新をターゲットにする。日本代表の活動期間中は東京五輪まで師事した平井コーチのチームと合同練習する予定だ。

 「パリは集大成。自分の能力を最大限に生かしたレースをしたい」。五輪で戦うノウハウを積極的に還元して未来にバトンをつなぐ。

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