渡辺一平が2大会ぶり五輪代表!男子200メートル平泳ぎV「お家芸を復活させたい」

[ 2024年3月22日 05:05 ]

競泳パリ五輪代表選考会 ( 2024年3月21日    東京アクアティクスセンター )

男子200メートル平泳ぎで五輪代表に内定した花車(左)と渡辺(撮影・西尾 大助)
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 男子200メートル平泳ぎ決勝は元世界記録保持者の渡辺一平(27=トヨタ自動車)が自己ベストに0秒27に迫る2分6秒94で制して、2位の花車優(24=イトマン東京)とともにパリ五輪代表に内定した。男子200メートルバタフライ決勝は1位の寺門弦輝(21=セントラルスポーツ)、2位の本多灯(22=イトマン東京)が代表権を獲得。女子100メートル自由形決勝は池江璃花子(23=横浜ゴム)が54秒15で制したが、派遣標準記録に届かなかった。

 パリ切符を懸けたプールへの入場直前。元世界記録保持者の渡辺は、22年世界選手権銀メダルの花車、日本記録保持者の佐藤、急成長中の深沢と次々とハイタッチを交わした。ライバルは同じ目標を掲げる仲間でもある。一発勝負のレース前としては異例の光景を「周りの選手の不調を願うのではなく、全員のべストパフォーマンスを願ってあの形になった」と振り返った。

 スタート直後からトップに立ち、一度も先頭を譲らなかった。自己ベストに0秒27に迫る好タイム。2大会ぶりの五輪切符を手にし「8年ぶりに代表権を獲得できてうれしい」としつつ「正直、もっとタイムが出ると思った。悔しい部分もある」と第一人者のプライドをにじませた。

 3年前の代表選考会は本来の力を発揮できず、東京五輪代表から落選。その後は左膝の負傷もあり不振に陥った。一時は引退も頭をよぎったが、21年から師事する高城直基コーチに出会い、泳ぐ楽しさを思い出した。低酸素のプールで徹底的に泳ぎ込み、より効率的なフォームを模索。昨夏の世界選手権で代表入りするなど復活の階段を上ってきた。

 男子200メートル平泳ぎは日本のお家芸といわれたが、12年ロンドン五輪を最後にメダルから遠ざかる。渡辺は16年リオデジャネイロ五輪で準決勝を全体1位通過したが、決勝は6位に沈んだ。「お家芸を復活させたい。僕は金メダルを狙い、花車選手とのダブル表彰台も目指したい」。覃海洋(中国)の持つ2分5秒48の世界記録更新も視野に入れ、必ずパリのセンターポールに日の丸を掲げる。


 ▽日本のお家芸 男子200メートル平泳ぎは1928年アムステルダム五輪で鶴田義行が金メダルに輝いたのを皮切りに、競泳種目で最多となる12個のメダルを獲得。北島康介が04年アテネ五輪、08年北京五輪を連覇するなど半数の6個を金が占める。12年ロンドン五輪の立石諒の銅を最後に表彰台から遠ざかり、近年は低迷。16年リオデジャネイロ五輪では小関也朱篤の5位、21年東京五輪では武良竜也の7位が日本勢の最高成績だった。

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