日大アメフト部 再建ありきの「いったん廃部」

[ 2023年12月16日 04:45 ]

日本大学本部(東京・市ケ谷)
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 日大は15日、都内で臨時理事会を開き、複数の部員が違法薬物事件で逮捕されたアメリカンフットボール部の廃部を決議した。

 部員の最後の訴えは届かなかった。理事会には現主将、次期主将予定者の2人の部員も出席。同部でまとめた再建案の発表や決意表明で存続を求めた。しかし、理事の決議により賛成多数で廃部が決まった。
 名門が83年の歴史にひとまず幕を下ろすことになり、日大広報課は「断腸の思い。本学としてはいったん廃止(廃部)とした上で同部の再建を検討する予定」とコメント。大学側は潔白の部員に不利益が生じないようにサポートを続け、何らかの受け皿を設ける方針。今後の活動の在り方は引き続き協議していく。部員と保護者に対する説明会を近日中に開催する予定だ。

 日大は先月28日の学内の会議でいったん廃部方針を決定したが、1日の理事会では結論が出ず、継続審議としていた。一部の部員は署名を添え、方針撤回の要望書を大学側に提出。長くライバル関係にある関学大のOBも14日に約3万人分の署名を出していた。

 学長の決裁の下、年内に廃部となる。理事会後、林真理子理事長は報道陣に対応せずに会場を後にした。

 ▽日大アメリカンフットボール部 1940年創部。赤がチームカラーで愛称は「フェニックス(不死鳥)」。59年から2003年まで監督を務めた故篠竹幹夫氏が猛練習で黄金期を築いた。学生王者を決める甲子園ボウルは21度制覇。社会人代表と対戦していた日本選手権「ライスボウル」では91年までに4度優勝。18年の関学大との定期戦で「悪質タックル」が社会問題化。公式試合が出場停止となり、1部下位リーグに降格。同上位リーグに復帰した20年には甲子園ボウルに出場した。

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