19年九州女王・黒石沙也佳が初優勝 難コースに「安全な所を狙った」

[ 2023年3月2日 04:00 ]

第9回ポートピアみやきタイトリストOP・スクラッチゴルフ

一般優勝の金子(右)と女子優勝の黒石はカップを手に笑顔
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 女子は2019年九州女子ミッドアマ覇者の黒石沙也佳(33)が3オーバー、75で初優勝を決めた。男子は初出場の金子貴一(45)が3オーバー、75で優勝した。シニアは松尾文人(52)が5オーバー、77で初優勝を飾った。

 戦略性の高さに加えて午後からは雨。難易度が一気に増したコースに各選手が手を焼く中、19年九州女王の黒石が実力をいかんなく発揮した。「このコースはグリーンが難しいので無理に攻めると痛い目に遭う。安全な所を狙った」。ピンをデッドに攻めなかったことでバーディーチャンスは少なかったが14番ではチャンスにつけて初バーディー。ボギーは4つに止めて崩れなかった。

 初出場した昨年は屈辱を味わった。「82(6位)も叩いてしまった。今年は絶対に70台のスコアで回ろうと思っていた」。ゴルフ設計の“名匠”といわれた井上誠一氏の手がけた名門ゴルフ場の難しいグリーン周りに泣いた前大会。その轍(てつ)を踏まず、きっちり目標達成してホールアウトした。

 福岡・柳川高を経て専大ゴルフ部で腕を磨いた。25歳以上の女子アマ九州No・1の座を争う九州ゴルフ連盟主催・九州女子ミッドアマでは15、18年の2位に続いて19年に念願の優勝を果たした。だが、ここ数年はパッティングに悩み、少しばかり低迷が続いていた。それだけに難コースと難コンディションを制した今回の優勝は大きな収穫。「個人タイトルは久しぶりなのでうれしいです。今年は連盟主催の試合も頑張りたいので、いいきっかけにしたい」。黒石が反攻の気勢を上げた。 (中島 泉)

《一般の部は金子がV》
 初出場ながら一般の部を制した金子は「グリーンが見た目より速くて難しかった」と振り返った。前半インでボギーが先行したが17番パー4では3Wでティーショットを放ち、残り70ヤードからピンそば2メートルに寄せて初バーディー。イーブンにまとめた。雨が強まった後半アウトは3、9番で3パットするなど名物の高速グリーンにてこずったが3ボギーの39で踏ん張り優勝を手にした。

 28歳からクラブを握った。飯塚市在住だがコロナ禍で父親が営む事業が行き詰まったため、21年4月に新たに清掃業の会社「Nクリーン」を立ち上げた。ビルや公営施設の清掃管理はもちろん、個人宅のエアコン、換気扇やキッチン周りなど細かい清掃注文にも応じ、多忙な日々を過ごした。

 「会社がようやく軌道に乗ってきたので、こうやってゴルフもできるようになった」。昨年12月には所属する鷹羽ロイヤルのゴルフ仲間と組んで九州クラブ対抗ダブルス戦に出場し、見事に優勝を決めた。そして今回は個人での優勝。「5月に出場するダブルス全国大会に勢いがついた」と喜んだ。

《シニアの部 52歳松尾が制す》
 ○…52歳の松尾がシニアの部を制した。イン1組目のスタートで「雨に遭わずに回れたのが幸いしました。パターは入らなかったがショットがまずまずでよかった」。バーディーこそ奪えなかったが5ボギーの77でまとめた。昨年、女子の部に出場し、プレーオフの末に2位に終わった三女の奏(かな、23)は現在プロを目指して修業中。松尾のシニア優勝は愛娘のテスト合格に向けた力強いエールになった。

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2023年3月2日のニュース