伊藤有希 6年ぶりW杯通算6勝目!快挙だ日本女子史上初の表彰台独占!丸山が初表彰台の2位、沙羅が3位

[ 2023年2月5日 21:21 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第17戦 ( 2023年2月5日    ドイツ・ビリンゲン ヒルサイズ=HS147メートル )

W杯第17戦で日本女子史上初の表彰台独占の快挙を成し遂げた(左から)2位の丸山、6年ぶり優勝の伊藤、3位の高梨(AP)
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 伊藤有希(28=土屋ホーム)が6年ぶりとなるW杯通算6勝目を挙げた。1本目に137メートルの大ジャンプを完璧に飛ぶと2本目も134.5メートルを飛び歓喜の雄叫び。2016―17シーズンに札幌大会で初優勝してから一気に5勝を挙げて自己最高の総合2位に入って以来、6年ぶり6度目のW杯優勝となった。丸山希(24=北野建設)が2位、前日4日の第16戦で通算114回目の表彰台となる3位に入った高梨沙羅(26=クラレ)は2日連続となる3位で日本勢が女子史上初の表彰台独占。勢藤優花(ヤマチューン)は10位だった。

 1本目1位の伊藤が最後のジャンパーとして登場。目の前で同僚の丸山が大ジャンプを決める中、しっかりと134.5メートルを飛び着地も成功。雄叫びを上げながらガッツポーズを繰り出した。初優勝の丸山か、6年ぶりの伊藤か――。そして、伊藤の得点がアナウンスされ優勝が決まると、伊藤の元に丸山と高梨が駆け寄り3人で熱い抱擁を交わした。6年ぶりの優勝、初表彰台、2日連続の表彰台。日の丸女子飛行隊が史上初となるW杯の表彰台独占という快挙を達成した。伊藤は雪上でのインタビューで「(最後の優勝から)すごく間が空いたが、ずっと頑張ってきて良かった。最高に幸せです」と最高の笑顔を見せた。

 着地付近の状態が悪く、風のコンディションもめまぐるしく変わる難コンディションの中、1本目は日本勢が好ジャンプを連発した。丸山がこの日最初のK点越えとなる133メートルを飛ぶと、伊藤はさらに伸ばし137メートルの大ジャンプ。すべてを完璧にまとめ1回目1位となった。前日3位の高梨は1本目最長不倒となる137.5メートルを飛んだが着地後に少しバランスを崩し6.3ポイント差の2位だった。

 今季上位陣が条件に苦しむ中、勢藤も10位に入るなどトップ10に日本勢4人が名を連ねて迎えた2本目。伊藤は「台と運が味方してくれている」とプレッシャーをはねのけ2回目に134・5メートルを飛び、合計233・3点で17年3月以来6年ぶりの歓喜となった。また丸山が2本目に136.5メートルの大ジャンプを決め大きくガッツポーズ。W杯初の表彰台となる2位に入った。高梨は2本目133メートルを飛び、歴代最多を更新する通算115回目の表彰台となる3位。ジャンプW杯の女子で、初めて日本勢が表彰台を独占する快挙を達成した。なお、男子の日本勢は1997―98年シーズンに船木和喜、原田雅彦、斎藤浩哉で2度、岡部孝信、斎藤、葛西紀明で1度、W杯の表彰台を独占している。

 ▽ジャンプ女子個人第17戦 ( )の数字は1、2本目の飛距離
(1)伊藤 有希(土屋ホーム)233・3点(137、135・5)
(2)丸山  希(北野建設) 229点  (133、136・5)
(3)高梨 沙羅(クラレ)  222・6点(137・5、133)

 ◇伊藤 有希(いとう・ゆうき)1994年(平6)5月10日生まれ、北海道下川町出身の28歳。4歳からジャンプを始める。北海道・下川商高出。13年に土屋ホーム入社。14年ソチ五輪ノーマルヒル7位、18年平昌五輪ノーマルヒル9位、22年北京五輪ノーマルヒル13位。7度出場の世界選手権では15、17年に個人銀メダル。1メートル61。

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