李承信&タタフ魅せた 世界2位の仏に23―42敗戦も新戦力台頭、前半善戦13―13

[ 2022年7月3日 05:20 ]

ラグビー リポビタンDチャレンジカップ2022第3戦   日本23―42フランス ( 2022年7月2日    豊田ス )

<日本・フランス>前半、PGを決める李(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 世界ランキング10位の日本は同2位の強豪フランスに23―42で屈したが、新戦力が台頭した。前半は予備軍から昇格したNo・8テビタ・タタフ(26=東京SG)のトライや緊急先発した21歳のSO李承信(神戸)が2PGなどで13―13と善戦。主力不在の中、23年秋のW杯フランス大会へ猛アピールした。一方、後半は4トライを献上するなど失速した。

 最高気温35度の鋭い日差しのように、希望の光が強い輝きを放った。代表初先発となった李承信は強豪相手にフル出場。今年の欧州王者に立ち向かい「良い部分も悪い部分もあった。長短のパス、プレースキックは手応えがある」と充実の表情を見せた。

 21歳とは感じさせない適応力だった。10番で先発予定だった山沢が新型コロナの影響で試合前日に欠場が決定。1日朝に急きょ、リザーブから先発に繰り上がることが伝えられた。緊急出場ながら「思い切って蹴ることができた」と、キックは2ゴール3PGで失敗は1度のみ。前半は巧みにゲームコントロールし、敵将ファビアン・ガルティエ・ヘッドコーチ(HC)を「キックが正確だ。日本の攻撃をうまく動かしていた」とうならせた。

 タタフも持ち味を発揮した。3―7の前半14分、敵陣ゴール手前でパスを受けると、自慢のパワーで相手を振り切って約5メートル突破し、一時逆転のトライ。代表予備軍から昇格してきた124キロの男は「体を張ってボールキャリーしようと思った」と力を見せつけた。

 今夏の代表はSO松田、No・8姫野と、いずれも19年W杯を戦ったメンバーがケガで不在。そのライバル2人がスタンドで見守る中、李承信とタタフは世界2位を相手に戦える力を示した。課題はあるが「彼らは学んでいる。次の試合に生かしてほしい」とジェイミー・ジョセフHC。来年のW杯に向け、新戦力が桜を強くする。

 ◇李承信(リ・スンシン)2001年(平13)1月13日生まれ、兵庫県出身の21歳。大阪朝鮮高卒業後は帝京大へ進学するも、より高いステージを目指して20年9月30日に神戸製鋼(現神戸)入り。U19日本代表。日本代表キャップ2。1メートル76、85キロ。ポジションはSO。

 ◇テビタ・タタフ 1996年1月2日生まれ、米領サモア出身の26歳。目黒学院中、目黒学院高を経て東海大に進学。高校日本代表、U20日本代表。19年にサントリー(現東京SG)入り。日本代表キャップ11。1メートル83、124キロ。ポジションはNo・8。

続きを表示

この記事のフォト

2022年7月3日のニュース