日本一曲がらない男 稲森佑貴 ドライバーレッスン【第3回 曲がらないためのダウンスイング】

[ 2021年1月22日 12:00 ]

ダウンスイングの解説をする稲森佑貴プロ(左)
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 今回はダウンスイングからインパクトにかけての打ち方がテーマです。稲森佑貴プロによれば、インパクトはアドレスの再現であり、それを実践するにはダウンスイングの軌道とバックスイングの軌道を同じにするべきだと言います。できるだけシンプルに打つことが曲がらないコツです。日大ゴルフ部OGのフリーアナウンサー・萩原菜乃花さんが進行役を務めます。

 萩原 曲がらないショットを打つためには、ダウンスイングからインパクトにかけての部分がとても大切だと思うのですが?

 稲森 どんなに正しいバックスイングを行っていても、ダウンスイングでクラブがスイングプレーンから外れてしまっては、曲がりますからね。正しいダウンスイングを行うポイントは右脇にあります。ここが開くか開かないかで方向性が決まる、と言っても過言ではありません。ダウンスイングで右脇が開いてしまうと、クラブヘッドの位置がズレてしまい、スイングプレーンからクラブが外れます。理想はバックスイングで通った軌道をなぞるようにクラブを下ろしてくることです。そのためにもダウンスイングでは右脇を締めるように心がけましょう。

 萩原 アベレージゴルファーにとって右脇を締める動きは簡単ではないと思いますが?

 稲森 力んでしまうからです。距離を稼ごうとすると、どうしてもダウンスイングの切り返しで力が入り、右脇が開いてしまいがちです。ダウンスイングに力は必要ありません。クラブの重さに任せて下ろします。また、スイングプレーンからクラブを外さないために、頭の位置をできるだけ動かさず、胸をボールに正対させたままダウンスイングを行いましょう。ヘッドをアドレスの位置に戻すことに意識を集中します。

 萩原 アドレスではスタンスの中央にヘッドをセットしていましたが。

 稲森 その位置にヘッドを戻すわけです。ボールを左足踵の延長線上にセットしていたので、ボールとヘッドの距離が離れていると思うかもしれません。しかし、体の真ん中がスイングの最下点になるので、自然とアッパーブローの軌道でボールをとらえることができます。無理にボールを上げようとしなくていいんです。逆に、ボールの位置にヘッドを戻そうとすると、上体が目標に突っ込んでしまい、ミスショットの原因になります。

 萩原 アドレスのときにヘッドをボールの近くにセットしていたらどうなりますか?

 稲森 スイングの最下点が左に移動するのでボールをアッパーブローの軌道で打つことができません。基本的に体の正面にヘッドを置き、そこに戻してくるのが一番シンプルな動きなんです。余計な動きがない分、誤差が生じることがなく、正確にボールをヒットできます。だから曲がりにくいわけです。自分の場合、1Wに限らず、どのショットでも必ずヘッドを体の正面にセットします。あとはボールの位置を変えるだけで、自動的にアッパーブローの軌道になったり、ダウンブローの軌道になります。

 萩原 1Wでもハンドファーストに構えるんですね?

 稲森 両手を左足太腿の内側にセットするので、軽いハンドファーストの形になります。自分からみて右腕とクラブが“く”の字になるのもそのためです。あとはインパクトでも同じ“く”の字になるようにクラブを戻すだけです。

(取材協力=東京・GMG八王子ゴルフ場)


 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の26歳。父・兼隆さんの影響で6歳でゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の11年プロテストに合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。18年国内最高峰の日本オープンでツアー初V。20年同大会で2勝目。得意クラブは1W。15年から5年連続でフェアウエーキープ率1位。1メートル69、68キロ。

 ◆萩原 菜乃花(はぎわら・なのか)1996年(平8)3月19日生まれ、神奈川県横浜市出身の24歳。9歳でゴルフを始め日大高、日大時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは75。現在はフリーアナウンサーとして、ゴルフ媒体や競輪番組などで活躍中。1メートル57。

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