大病に打ち勝った準V ステージ4のがんを克服した京都成章・湯浅監督「新しい歴史を作ってくれた」

[ 2021年1月10日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー選手権決勝   京都成章15-32桐蔭学園 ( 2021年1月9日    花園ラグビー場 )

<桐蔭学園・京都成章>準優勝に終わった京都成章・湯浅監督(撮影・成瀬 徹)  
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 大病を乗り越えてたどりついた初の決勝だった。京都成章の湯浅泰正監督(56)は、13年に扁桃腺がんを患った。リンパ節にも転移した。医者からは最も症状が深刻な「ステージ4」を宣告された。闘病生活を経て「5年で卒業した」と回復したものの、以前の放射線治療の影響で唾液が出にくい。声はガラガラになり、ペットボトルの水が手放せない。

 死に直面し、指導哲学が変わった。「待ってやれるようになったのかもしれない。それぞれにペースがありますから」。今年は部員123人。できる、できないに個人差はある。教えることを我慢。選手に気付かせることに重きを置いてきた。

 初の日本一を逃しても、人情味あふれる明るさは変わらない。「満足です。コロナで大変な年に新しい歴史をつくってくれた」。愛情を注いで、選手の成長を待ち続ける。

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2021年1月10日のニュース