白井健三「心の状態がすごくいい」両親経営クラブでの日々がプラスに

[ 2020年7月17日 17:15 ]

取材に応じた白井健三
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 体操男子の白井健三(23=日体大大学院)が17日、神奈川県横浜市内で取材に応じた。

 昨年は2月に左足首を痛め、8月には左肩も負傷。世界選手権の代表に入れず、苦しい時を過ごした。新型コロナウイルスの影響で東京五輪は来夏に延期となったが、仮に今年開催されていた場合は、代表落ちも覚悟する状態。「1年で狂った歯車を整える時間をもらったと思ってホっとした」というのが偽らざる本音だった。

 政府による緊急事態宣言などで同大の施設が使えない間、実家に戻り約3カ月間、両親が経営する鶴見ジュニアクで基礎からトレーニングに励んだ。高校生に混じって汗を流す中、後輩が練習に取り組む姿勢を見て刺激を受けたという。「毎日、教わることばかりだった」。ネガティブになることも多かった自分に別れを告げ、今は「心の状態がすごくいい。狂った歯車、絡んだ糸はすごくきれいに修正できた。ギアを上げる準備がうまくできた」と笑みを浮かべる。

 「師匠」と尊敬する内村航平(31=リンガーハット)が、種目別の鉄棒に絞って東京五輪を目指すことを決意した。「どんな判断をしようが、それが航平さんの正解。誰よりも考えて、その選択をしている」。白井もかつて種目別の床運動、跳馬で世界一の経験があるが、自身の戦略については「今から五輪のためだけに決めるのはもったいない」と話した。

 9月の全日本シニア選手権(群馬・高崎アリーナ)、12月の全日本選手権(同)とコロナ禍の中で目標も定まってきた。「何か変わったな、楽しそうにやっているなという体操がしたい。自分が学んだもの、今は言葉でしか表せないものを体操で表せるような試合を送っていきたい」。心のメンテナンスを終えた23歳が、再び躍動する。

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2020年7月17日のニュース