インターハイ、史上初の中止 生徒の安全最優先 夏の甲子園に影響も

[ 2020年4月26日 18:51 ]

2019年7月に行われた全国高校総体の総合開会式=鹿児島アリーナ
Photo By 共同

 全国高等学校体育連盟(全国高体連)は26日、ウェブ会議による臨時理事会を開き、新型コロナウイルス感染拡大を受け、今夏に東北から九州の21府県で分散開催される予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止を全会一致で決めたと発表した。競技中だけでなく移動や宿泊による感染リスクが大きく、生徒らの安全最優先で判断した。各競技の全国高校選手権を統合して1963年から始まった全国高校総体の中止は史上初めて。

 夏季の全国高校総体は部活動の集大成の場として30競技の高校日本一を決める大会。今夏に東海地方で予定される全国中学校体育大会(全中)も中止の方針で、日本高野連などが主催する同時期の全国高校野球選手権大会(甲子園)の開催判断にも影響を与えそうだ。高野連は「協議の参考にする」として5月20日に運営委員会を開く予定。

 記者会見した高体連の奈良隆専務理事は「断腸の思い。本当に大きな判断で、申し訳ない気持ちでいっぱい」と述べた。高校総体中止の代替策として、安全に部活動が実施できる状況になった場合、最終学年の生徒が成果を発表できる場や大会の設定などの検討を、各都道府県高体連に要望する方針を明らかにした。

 新型コロナの急速な感染拡大で政府が緊急事態宣言を発令。全国高体連は5月25日の理事会で開催可否を決める計画だったが、部活動が大幅に制限され、インターハイ予選を含む地域レベルの高校大会で中止が相次ぐ中、前倒しで決定した。

 今大会は当初、群馬、茨城、栃木、埼玉の北関東4県を中心に行う予定だった。東京五輪・パラリンピックの影響で会場や宿泊施設の確保が難航して異例の広域開催となり、昨春にようやく全開催地が確定。高体連はインターネット上のクラウドファンディングで寄付金を募るなど資金繰りに奔走し、無観客などの規模縮小も検討したが、選手の健康への影響などを考慮して開催を断念した。

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2020年4月26日のニュース