藤田寛之の“急がば回れ!”上達講座【第2回 スライスの修正方法】

[ 2020年4月10日 12:00 ]

スライスの修正方法について解説する藤田寛之プロ
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 今回のテーマはスライスの修正方法です。藤田寛之プロによれば、スライスにはプルスライスとプッシュスライスの2種類があり、それぞれの修正法があると言います。なかなかスライスが直らないという人は、修正法を間違っているかもしれません。ティーチングプロのジミー常住氏がその対応策を聞きました。自分がどのタイプなのかを把握し、それぞれに合った修正法を実践することが大切です。

 常住 スライスにはプルスライスとプッシュスライスの2種類あるという話ですが、それぞれの特徴を教えて下さい。

 藤田 プルスライスは、目標よりも左にボールが飛び出してから右に曲がるのが特徴です。プッシュスライスは、目標よりも右にボールが飛び出して、そこからさらに右に曲がります。

 常住 どのようなタイプにプルスライスは多く見られるのでしょう?

 藤田 ダウンスイングのときに左腰が背中側に引けたり、フィニッシュで左足が右足の後方へ動いてしまうタイプですね。クラブをアウトサイドから下ろそうとした結果、体がじゃまになり、振り切れなくなるとそういう動きになります。あと、バックスイングで左肩が下がり、ダウンスイングで右肩が下がるタイプにも多く見られがちです。

 常住 なるほど。それではどのように修正したらいいのでしょう?

 藤田 アウトサイドからクラブを下ろす人は、ダウンスイングで右足踵が浮きやすいので、インパクトまでは右足をベタ足にしておくことです。同時に、左足もダウンスイングからフィニッシュまでベタ足にしておきましょう。左足の親指で地面をグッと押しつけたまま振るイメージです。その結果、インパクト以降まで上体の前傾角度がキープされるので、下半身が動きにくくなります。

 常住 次に、プッシュスライスの原因ですが?

 藤田 まずは直立姿勢をつくってみましょう。その姿勢から左腰を自分の左サイドに突き出す形をつくると、右肩が下がります。これと同じ動きがダウンスイングで行われているんです。右肩が下がると、その先にある右手も下がります。結果、クラブフェースが開いた状態でインパクトを迎えるわけです。ボールに右回転がかかるため、自分ではスイングプレーンに沿ってクラブを振っているつもりでも、ボールは右に飛び出してから右に曲がってしまいます。

 常住 となると、修正するには左腰を目標方向に突き出す動きを抑えることが重要ですね。

 藤田 正解です。プッシュスライスが出る人は、左足外側のラインよりもさらに左に腰が出ています。そのラインよりも内側で腰を回転できれば、フェースの開きを抑えられるはずです。その結果、インパクトではフェースがスクエアな状態でボールをとらえるため、右へ打ち出したり、スライスすることがなくなります。

 常住 腰を回すことがポイントですね?

 藤田 フォロースルーでお腹を引っ込めるようなイメージで振るとうまく腰を回せると思います。最初はぎこちない感じになるかもしれませんが、徐々に慣れてくるはずです。プッシュスライスがプッシュアウトになり、最後にはストレートボールを打てますよ。

 常住 2つのスライスを修正するときの注意点を教えて下さい。

 藤田 すぐに結果を求めないことですね。自分のスイングは分かりにくいので、自分で動画を撮影したり、友人にチェックしてもらいながら、徐々に体の動きを修正していきましょう。(取材協力=千葉・きみさらずゴルフリンクス)

 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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