徳勝龍、6日目でやっと“初日” つかんだ“初金星”は歴代3位の年長記録!

[ 2020年3月14日 05:30 ]

大相撲春場所6日目 ( 2020年3月13日    エディオンアリーナ大阪 )

今場所の初日を出し、記者からの質問に笑顔で答える徳勝龍 (撮影・亀井 直樹)
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 初場所で優勝した平幕・徳勝龍が横綱・鶴竜を寄り切り、初めて金星をつかんだ。15年夏場所の西前頭4枚目を更新する西前頭2枚目の自己最高位で臨む今場所は初日から5連敗。ようやく出た初日は、年6場所制以降にデビューした力士として史上3位のスロー初金星となった。全勝は横綱・白鵬、平幕の御嶽海、碧山の3人となった。

 横綱を寄り切り、徳勝龍は「ふう~っ」と大きく息を吐いた。無観客開催のため座布団シャワーも歓声も拍手もない。淡々と勝ち名乗りを受ける土俵は静かだった。喜びをのぞかせたのはテレビのインタビュー。「気合を入れて行くだけでした」などと冷静に答えながら、目を潤ませた。

 立ち合いで得意の左を差し、押し込んだ。相手が負けじと圧力を強めるところをタイミング良く左の下手投げで体勢を入れ替え、一気に勝負を決めた。逆転の連続だった初場所終盤をほうふつさせた一番。「左を差せたので思い切りやろうと。(内容は)あまり覚えてないです」。33歳6カ月の初金星は、年6場所制となった58年以降に初土俵を踏んだ力士では3番目の年長記録となった。

 金星よりも初日が出たことを喜ぶ言葉に実感がこもった。「長かったなあという感じ」。奈良出身で春場所は準ご当所。先月22日には近大時代の恩師でプロへの道を開いてくれた伊東勝人監督のお別れの会に出席。翌23日は近大の後輩と合同稽古で汗を流し、午後に奈良市内で臨んだパレードには約1万人が駆けつけていた。

 発奮材料は豊富でも、5年ぶりに更新した自己最高位の西前頭2枚目で初日から5連敗。明るい性格だが、前日のミックスゾーンでは「また明日」と言葉少なだった。この日は大ファンであるプロ野球阪神に関する話題で、鳥谷のロッテ移籍について水を向けられ「タテジマはタテジマなので違和感ない。背番号00も格好いい」と笑みを浮かべた。本領発揮の準備は整ったようだ。

 ▼八角理事長(元横綱・北勝海) 徳勝龍は左が入って力が出せたんじゃないかな。鶴竜は上手を取って、頭をつけるまでもないと思ったところを振られた感じだね。

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