五輪組織委理事からも延期論 コロナ拡大受け「現実踏まえ」“2年後”

[ 2020年3月12日 05:30 ]

高橋治之理事
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 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会で理事を務める高橋治之氏(75)が11日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大会延期の検討を今月末の組織委理事会で提起する考えを示した。広告代理店、電通の元専務でスポーツビジネスに精通した高橋氏は私見として「現実を踏まえ、それなりに対応しないといけない。時間的にも(迫っているので)」と述べた。

 一方で国際オリンピック委員会(IOC)には米テレビ局NBCが巨額の放送権料を支払っている事情を踏まえ、高橋氏は「中止はない」と明言。延期の場合の実施時期は「早い方がいい」としつつ、1年後は各競技の日程が埋まっていることから2年後が現実的な選択肢との考えを示した。高橋氏は10日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)でも同様の考えを語っていた。

 この発言を受け、組織委の森喜朗会長(82)は同日に都内で緊急会見を開き「とんでもないことをおっしゃったな、というのが正直な感想」と不快感を示し、改めて「予定通りに準備を進める」と組織委としてのスタンスを示した。また、高橋氏からは電話で謝罪を受けたことを明かし「私に言わせれば、(火に)ガソリンをブチまけるようなことだけはやめなさいよ、という感じ」と怒りは収まらなかった。いずれにせよ、内部から初めて延期論が飛び出した理事会に、世界の注目が集まりそうだ。

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2020年3月12日のニュース