データで見る八村の4戦目 第4Qに激減する攻撃機会 “NBAの流儀”と直面

[ 2019年10月31日 13:06 ]

八村に指示を与えるウィザーズのブルックス監督(AP)
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 ウィザーズの八村塁(21)は30日に地元ワシントンDCで行われたホーム開幕戦のロケッツ戦で自己最多の23得点をマーク。フィールドゴール(FG)は14本放って8本を成功させ、過去3戦で決まっていなかった3点シュートも3本すべてリングの中を通した。

 ただし接戦となった第4Qに放ったシュートは、ゴール下にいたセンターのトーマス・ブライアント(22)からのパスを受けて決めた1本のみ。このクオーターは残り8分4秒からコートに戻ったが、この時間帯で最もオフェンスに関わっていたのは昨季25・6得点を挙げている8季目のシューティング・ガード、ブラドリー・ビール(26)で、八村が復帰したあと9回攻めて(ターンオーバー2回)7本のシュートを放った。

 NBAでは接戦の土壇場でチームの大黒柱に“全権”を委任するのが通例。ファイナル6回の優勝を誇ったブルズはかつてコート上の5人に「機会均等」を前提したモーション・オフェンスの「トライアングル・オフェンス」を戦術の軸にしていたが、プレーオフなどの大一番の試合で接戦となった場合には、最後はマイケル・ジョーダンにボールを託す場面が多かった。

 八村は2点差の敗戦となったスパーズ戦(26日)でも16得点を稼ぎながら、残り5分21秒からコートに戻った第4Qは自身がラストタッチとなった攻撃機会はなし。スコット・ブルックス監督(54)から新人以上の“待遇”を勝ち取るには、今後も少しずつ実績を積み重ねていく必要がある。

 ただし3点シュートを3本とも成功させたことは次戦につながる収穫になった。今ドラフトで2巡目までに指名された新人の中で1試合で最も3点シュートを決めたのは、12番目にホーネッツに指名されたP・J・ワシントン(21)の7本。3本以上成功させたのは、ワシントンの他、5本のケンドリック・ナン(24=ヒート、ドラフト外)、4本のR・J・バレット(19=ニックス、3番目指名)、コービー・ホワイト(19=ブルズ、7番目指名)、3本のタイラー・ヒーロ(19=ヒート、13番目指名)を含めて八村が6人目となった。八村が9番目で指名されたあと10番目で指名されたデューク大出身のシューター、キャム・レディッシュ(20)は4試合を消化して14本すべてを失敗。大学時代と違った距離と圧力の中で放つNBAの3点シュートはルーキーにとっては難度が高く、敗れたとは言え、その「壁」を乗り越えたことは自信にもなりだろう。

 なお八村の倍以上の59得点をマークしたロケッツのジェームズ・ハーデン(30)は第3Q終了時点ですでに40得点をクリア。第4Qを前にして40得点に達したのは16回目となった。 (高柳 昌弥)

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