照強2敗追走 2横綱と堂々V争い、小兵幕尻自己新10勝

[ 2019年7月19日 05:30 ]

大相撲名古屋場所12日目 ( 2019年7月18日    ドルフィンズアリーナ )

妙義龍(右)を押し出す照強(撮影・中村与志隆)
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 幕尻の照強が東前頭7枚目の妙義龍を押し出して2敗を守り、幕内では自己新となる10勝に到達した。身長1メートル69、幕内で炎鵬に次いで2番目の小兵がその小ささを逆手に取り、元関脇の実力者を撃破。12日目終了時点で2差を、平幕力士が逆転すれば史上初の快挙となる。横綱・鶴竜が平幕・千代大龍を裾払いで下し全勝キープ。白鵬は関脇・御嶽海を寄り切り1敗を守った。

 体が小さければ、それを生かした相撲を取ればいい。照強は「俺は人より下にいる。下から入れるのが武器」と言い切る。伊勢ケ浜部屋の兄弟子・安美錦だった安治川親方はこの日会見で「ケガしたことでしっかり相撲と向き合い強くなれた」と自身の土俵人生を振り返った。10年春場所初土俵で、兄弟子の努力を約10年間にわたり間近で見た照強も体格差を嘆くのではなく、プラス思考で何ができるかを模索し、冒頭の結論に至った。

 優勝争いに絡む取組で、自身の言葉を証明した。立ち合いは右を差されて一気に土俵際へ追い込まれた。しかし、右へ回り込むと妙義龍が「低いから、はたいてしもうた。あんまり低いから」と悔やむ場面が訪れる。照強はすかさず逆襲し右おっつけ、左ハズで一気に押し出し。「下から起こして小兵の低さを生かせた」と胸を張った。

 全勝の横綱・鶴竜とは2差。15日制が定着した49年夏場所以降、12日目終了時点で2差から逆転優勝したのは4例だけ。直近は17年秋場所、部屋の先輩でもある横綱・日馬富士だった。照強は「横綱(日馬富士)をはじめ、偉大な先輩の背中があったから強くなれた。いろんな人に教えてもらい、見て相撲を覚えた。この部屋に入ってよかった」と話し、受け継いできたものが今場所で花開いたことを強調する。幕内3場所目で初めて勝ち越し、さらに2桁勝利にも到達。「あと3番、勝つチャンスがある」。幕尻の逆転優勝となれば、史上最大の下克上が完結する。

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2019年7月19日のニュース