【上水研一朗の目】素根、徹底した釣り手対策で相手の焦りを誘った

[ 2019年4月7日 08:20 ]

柔道 全日本選抜体重別選手権第1日 ( 2019年4月6日    福岡国際センター )

女子78キロ超級決勝で優勝した素根=左(撮影・中村 達也)
Photo By スポニチ

 素根が朝比奈との直接対決に勝てるようになったのは、徹底した釣り手対策にある。相手の釣り手を上から抑え込んで技出しを封じてきたが、今回の対戦では朝比奈の巻き替えや下から割るなどの組み手対策に対し、序盤戦は嫌がっていた。ただ延長戦に入り、巻き替えられた時の圧力が弱まったことで、素根の釣り手が有効になった。担ぎ技を仕掛けて相手の焦りを誘い、最後はしっかりと仕留めた。1回戦では相四つの相手に苦戦するなど、まだまだ技や戦術のレパートリーは少ないと言える。この階級では小柄であり、常に自分よりも大きな相手との戦いになるので、その課題からは目をそらさずに、今後も稽古に励んでほしい。

 2週間後の全日本女子選手権では、勝った分だけ素根が精神的に有利だろう。朝比奈は今回の対戦で有効だった組み手対策を貫くことが重要。互いにさらに研究し、一歩先の戦いが繰り広げられることを期待したい。(東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

続きを表示

2019年4月7日のニュース