渡辺氏 竹田会長後任の条件に私見「最優先されるのはインテグリティー」 候補に山下氏ら

[ 2019年3月21日 15:19 ]

FISE広島大会開催をアピールする(左から)BMXの大池水杜、片桐光紗季、スケートボードの池田大亮、パルクールのZEN、日本アーバンスポーツ支援協議会の渡辺守成会長、ボルダリングの杉村紗恵子、アグレッシブインラインの安床武士、ブレークダンスのShigekix
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 国際オリンピック委員会(IOC)委員を務める国際体操連盟の渡辺守成会長が21日、6月で退任する日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長の後任の条件として、「当面、最優先されるのはインテグリティー(誠実さ、高潔性)」と私見を述べた。東京・渋谷で開催されたアーバン(都市型)スポーツの世界大会「FISEワールドシリーズ広島2019」のイベントに日本アーバンスポーツ支援協議会会長として出席し、報道陣の取材に答えた。

 2020年東京五輪招致疑惑でフランス司法当局の捜査対象となっている竹田会長は19日に開かれたJOC理事会で、6月の任期満了で退任することを表明。定年のため後進に道を譲ることを理由としたが、実際には五輪への影響を懸念する国内外からの批判をかわせなくなったものとみられる。退任表明直前に直接連絡を受けたという渡辺会長は「気持ちを察するとつらいものがある。功績も素晴らしい」とした上で、「致し方ない。(IOCの)バッハ会長も困っていると聞いていた。FISEにもIOCから(幹部が)来る予定だったが、キャンセルされた」と影響を指摘。「国民の期待に応えていけるのはインテグリティーの高い人。マネジメント力は下(部下)がやっていけばついてくる」などと説明した。竹田会長の公認候補には全日本柔道連盟の山下泰裕会長らの名前が挙がっている。

 竹田会長の退任により日本からのIOC委員は渡辺会長1人となる。これまでは2人で役割を分担してきたが、「そうも言ってられない。責任があると思っているし、やらなきゃいけない」と話した。また、国が新たに策定する競技団体の運営指針「ガバナンスコード」で、各団体の理事の在任期間を原則10年までとする案が示されていることに、日本スポーツ協会などが難色を示していることについては、「全国の現象からすると致し方ない。スポーツ界と一般社会の常識が乖離(かいり)している。少なくとも一般の人が大丈夫と思うレベルに持っていかないと」と持論を述べ、「スポーツは本来、社会よりもインテグリティーが高いはず。選手は公平、公正だと思うが、下げているのはスポーツ界の執行部。平気で誤解を生むことをやっていた」と厳しかった。

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2019年3月21日のニュース