貴親方、初めて応じた2時間聴取 28日臨時理事会で処分協議へ

[ 2017年12月26日 05:30 ]

午後、疲労感を漂わせて外出先から部屋に戻った貴乃花親方
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 元横綱・日馬富士(33=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ)の暴行事件で、被害者の平幕・貴ノ岩(27=貴乃花部屋)の師匠である貴乃花親方(45=元横綱)が25日、都内のホテルで日本相撲協会の危機管理委員会の聴取を初めて受けた。同親方は秋巡業中に起きた暴行事件の報告を怠っていたことなどが問題視されていた。相撲協会はこの日の聴取を受けて、28日の臨時理事会、臨時評議員会で、先送りになっていた貴乃花親方の処分を協議する。

 貴乃花親方の聴取が、クリスマス当日に実施された。危機管理委員会の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)、危機管理部長の鏡山理事(元関脇・多賀竜)は指定された都内のホテルに向かい、午後2時ごろから約2時間、話を聞いた。聴取を終えてホテルから出てきた鏡山理事は足早に歩きながら「終わったよ」と事態収束に向けた一つのヤマ場が終了したことを明言。内容については「ノーコメント」と多くを語らず、相撲協会への報告のため東京・両国国技館へ戻った。

 被害者の師匠である貴乃花親方は、暴行事件があったことを知ると、10月下旬に貴ノ岩の被害届を鳥取県警に提出した。だが、相撲協会には報告を行わなかった。貴ノ岩の聴取を拒否し続けたことも問題視され、危機管理委から聴取要請を受けていた。臨時理事会が行われた20日は危機管理委員会との調整が折り合わなかったため、貴乃花親方への処分は28日の臨時理事会へと先送りとなっていた。21日の研修会でも聴取は実現せず、先行きが不透明な状況だった。春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)の説明によると、この日になって貴乃花親方側から連絡があったという。

 関係者によると、聴取は今回限りといい、聴取内容は高野委員長がまとめ、相撲協会に報告する。春日野広報部長は聴取が今回限りか否かを明言せず「やっと協力をいただいた。(高野委員長からの)報告を聞いていないので判断できない」と述べた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「何とも(言えない)」と言葉少なだった。

 貴乃花親方は弁護士を同席して臨んだ。東京都江東区の貴乃花部屋を午前11時半ごろに出発し、午後5時40分すぎに戻った。いずれも報道陣から質問を浴びたが無言を貫いた。だが、貴乃花親方は信念を貫いて巡業部長の仕事を全うしたと考えている。20日の臨時理事会では自身の行動の正当性などを記した10ページ以上の書面を提出。これらの意見を相撲協会がどう捉えるのか。被害者側の立場ではあるが、巡業部長の責任を果たしていないと判断されれば理事解任もあり得る。11月14日に明らかになった暴行事件は、約1カ月半後の28日に大きな節目を迎える。

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2017年12月26日のニュース