【優作 妹藍へ贈る言葉】「To the Next Stage」真っすぐ進んでほしい

[ 2017年9月19日 10:42 ]

妹藍へのメッセージを寄せた宮里優作
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 宮里藍の現役引退にあたり、次兄でプロゴルファーの宮里優作(37=フリー)がスポニチ本紙に手記を寄せた。幼い頃からともにゴルフに打ち込んできた歩みを振り返り、新しい人生に第一歩を踏み出す妹にメッセージを送った。

 藍ちゃん現役生活お疲れさま。個人的にはまだまだやれると思う。良いゴルフをしているし、メジャーでも好成績を残している。1月に引退を告げられた時は受け入れたけど「やっぱり続ける」と言わないかなと今でも思っている。でも本人が決断したことだから仕方ないのかな。

 宮里家の3人兄妹の末っ子だけど、幼い頃から3人の中で一番しっかりしていた。親に怒られたこともほとんどなかった。目標を決めたら、そこに向けて集中して頑張るタイプで集中力が凄かった。

 ゴルフをやりたいと言い出したのも自分から。いつも練習場に付いてくる姿が印象に残っている。中学1年生で世界ジュニア選手権に出場した後「英語を話したい」と英語を勉強し始めた。自分で決断し行動する。それは昔も今も変わらない。

 ゴルフを始めて間もない頃、僕と兄がショートコースに行ったことがあった。妹も付いてきて父とクラブハウスで待っていた。ところが父がうたた寝した隙に抜け出し「私もやりたい」と僕らを追いかけてコース内に入って騒ぎになった。興味があることにまっしぐらという子だった。

 ゴルフの素質は凄かった。小学2年生で初めて出た沖縄ジュニア選手権で自己ベストスコアを出したり当時から本番に強かった。僕自身、妹から影響を受けた。プロになってからもメンタルに関して「ああいう場面ではどんなことを考えてる?」とか質問していた。メンタルコーチのピア・ニールソン氏とリン・マリオット氏を紹介してもらったり妹の存在は僕のゴルフにもプラスになっている。

 スイングが違うので技術的な意見交換は多くなかった。ただ米ツアー参戦後に「前下がりから打つと球が右に行く。前下がりってどうやって打つの?」と聞かれたことはよく覚えている。あまりに初歩的な質問なので、それで世界ランキング1位になったのかと爆笑した。フィーリングが鋭い天才なのだと思う。

 印象に残る試合は僕がキャディーバッグを担いで沖縄で優勝した04年ダイキン・オーキッド・レディース。そして米ツアー初優勝した09年エビアン・マスターズ。不振になったり苦労してやっとつかんだ優勝だったから本当に感動した。

 高校生でツアー優勝して常に注目を浴びてきた。ゴルフ人気の立役者。永久シードを与えても良いくらいだと思う。一人で戦ってきてストレスもたまっているはず。1、2年はゆっくりしてほしい。

 第二の人生はアカデミーを立ち上げてジュニア育成に貢献してもらいたい。アニカ・ソレンスタムさんやロレーナ・オチョアさんのような存在になってほしい。それができる人だから。新たなスタートにあたり「To the Next Stage」という言葉を贈りたい。次のステージでも藍ちゃんらしく真っすぐ進んでいってほしい。

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2017年9月19日のニュース