サニブラウン“世界の8人”、ボルト超えた!最年少決勝進出

[ 2017年8月11日 05:30 ]

陸上・世界選手権第6日   男子200メートル準決勝 ( 2017年8月9日    英ロンドン )

<世界陸上ロンドン大会6日目>男子200メートル準決勝、力走するサニブラウン(左)
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 9日の男子200メートル準決勝でサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)が20秒43で2組2着となり、3組の各2着までとタイム順2人の計8人が進む決勝へ進んだ。決勝を18歳157日で迎えるサニブラウンは、05年大会で18歳355日だったウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)を抜き、同種目で史上最年少での決勝進出。日本人では03年銅メダルの末続慎吾以来、2人目のファイナリストとなった。決勝は日本時間11日午前5時52分から行われる。

 ボルトを超える日本人が現れた。サニブラウンが18歳156日で決勝に進み、スーパースターが持つ男子200メートルの最年少ファイナリスト記録を塗り替えた。日本人としても2人目の快挙だが、「(年少記録)そうなんですか?まあ、でも最年少で出たところで決勝で戦えなきゃ意味がない。しっかり戦えるようにしたい」と平然としていた。

 予選で失敗したスタートで滑らかに飛び出した。「予選よりちゃんと出ようと思っていた」。スタートの反応速度こそ0秒193と最も遅かったが、大外9レーンのリードを生かしてカーブを先頭で抜けた。雨で濡れた走路が影響したか、世界歴代2位(19秒26)の記録を持つブレーク(ジャマイカ)ら後続が伸びない。サニブラウンは2着を守り抜き、ゴールを駆け抜けた。

 タイムは20秒43。決勝に進出した8人中最下位で、全体で10番目。3組であれば6着に相当するタイムで、組み合わせに恵まれた面はある。「ラッキーという感じ。タイムはまだまだ」と振り返ったが、それでもまだ18歳であることを考えれば決勝に進出した価値は高い。

 実は不安を抱えていた。7日の200メートル予選前に右太腿裏の張りを訴えていた。気がかりだった箇所が、100メートル準決勝のスタート後のつまずきによって、悪化していた。「100でちょっとバランスを崩して、若干負担がかかってしまった感じがしました」

 手負いの状態で予選を通過し、翌8日は完全休養。「ほとんどベッドから動いていないですね。起きてご飯を食べて寝て、起きてご飯を食べて寝て、ちょっとストレッチしてまた寝て、という感じ」。体は休めながらも100メートルと200メートル準決勝で敗れた2年前のリベンジを狙い、静かに牙は研いでいた。

 準決勝スタート前に「エキサイティングヤングタレント。ユースチャンピオン」と紹介された逸材が、ボルトの記録を塗り替えたのは、これが初めてではない。15年世界ユース200メートルでは大会記録を更新した。ボルトが引退する大会で、2度目のボルト超え。20年東京五輪。ボルトの「後継者」となるのは、日本人かもしれない。

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2017年8月11日のニュース