まだ足りない?埼玉栄高相撲部出身の力士 米500キロの恩返し

[ 2017年6月22日 16:30 ]

埼玉栄高の山田監督が用意した相撲部員の弁当
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 大関・豪栄道ら18人の関取を輩出した埼玉栄高相撲部員は現在21人。同校出身の力士は十両に昇進すると学校から化粧まわしを贈られるが、逆に米500キロを相撲部に贈呈する「しきたり」もある。オレンジ色の化粧まわしを手にした新十両・翔猿(とびざる、追手風部屋)も早速、恩師の山田道紀監督(51)から「夏過ぎでいいからな」と頼まれた。

 監督は寮生活を送る生徒たちの食事面を27年間もサポートしてきた。相撲部はわずか1カ月で米450キロを消費する。計算上では部員1人当たり1ケ月約21・5キロの量で、1日約5合。茶わん10杯相当になる。早起きして朝食と弁当を作り、夕食も8〜9品のおかずを用意する。「全て手作り」にこだわって、育ち盛りの生徒を支えてきた。そんな中、1年生はラーメンを食べてはいけないという先輩が決めた珍ルールもある。

 同校出身の現役の関取は豪栄道ほか、貴景勝、大栄翔、北勝富士、妙義龍、英乃海、剣翔、翔猿と8人もいる。母校へ米500キロの恩返し。高校3年間、36カ月で約750キロの米を食べて今があると思えば、500キロではまだ足りないぐらいの恩があり、さらに上を目指すモチベーションにもなるはずだ。(宗野 周介)

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2017年6月22日のニュース