日本 スコットランドにW杯雪辱ならず 小兵の金が存在感も

[ 2016年6月19日 05:30 ]

スコットランドに敗れ、肩を落とす稲垣(左端)ら日本フィフティーン

ラグビーリポビタンDチャレンジカップ2016 日本13―26スコットランド

(6月18日 豊田スタジアム)
 世界ランキング11位の日本は同9位のスコットランドに13―26で敗れ、昨年のW杯のリベンジはならなかった。日本は2人のシンビン(一時的退場)を出すなど苦しい80分間を強いられたが、前半8分には流れるような速攻からトライを奪って一時逆転。起点をつくったフランカー金正奎(24=NTTコミュニケーションズ)は1メートル77、93キロ。近年の日本代表のFWではまれに見る小さな7番が、大きな存在感を放った。

 密集の中でボールに手を掛け、そして奪った。前半8分、センターライン付近での攻防で、巨人ぞろいの相手に挑んだ金が、ジャッカルと呼ばれる高等技術でターンオーバー。日本のペナルティーになると、SH茂野がすかさず仕掛け、No・8マフィ、CTB立川らがつないで最後はフッカー堀江主将が一時逆転のトライ。起点をつくった小兵は「愚直に低くプレーすることにフォーカスを置いた。相手が大きい分、強みになる。ディフェンスの部分はやれたと思う」と納得の表情を見せた。

 常翔啓光学園高、早大時代から世代を代表するフランカーとして名をはせた。だが、バックローと呼ばれるFW第3列は、昨年のW杯でも日本生まれの選手が1人も選ばれなかったポジション。サイズとパワーが求められ、金もまた日の目を見ないでいた。ただ、サイズの大幅アップが望めない中、外国勢が嫌がる「低さ」を徹底し、タックルやジャッカルを磨いた。パワー型のツイ、マフィとの役割分担で長所も生き「このジャパンは自分の強みを尊重してくれる」と感謝を口にした。

 後半25分には抜けた場面でパスミスを犯してトライを奪えないシーンもあり「強気になれなかった。80%くらい」と話した。だが敗れはしたものの、エディージャパン時代には光の当たらなかった小兵が、19年へと光を放った。

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2016年6月19日のニュース