カー娘「銀」五輪へ大前進 スイスに惜敗も18年平昌“ほぼ射程”

[ 2016年3月29日 05:30 ]

観客の声援に応える(左2人目から)本橋、吉田夕、鈴木、吉田知、藤沢(AP)

カーリング女子世界選手権

(3月27日 カナダ・スウィフトカレント)
 男女の五輪、世界選手権を通じて日本初のメダルを確定させていた日本代表のLS北見は決勝で3連覇を狙ったスイスに6―9で惜敗し、2位だった。日本は第8エンドの3点で6―5と逆転。しかし、第9エンドに2点を奪われ、有利な後攻だった最終第10エンドは同点のチャンスを逃して2失点した。今大会は18年平昌五輪の出場枠争いでポイントの対象となる大会で日本は12ポイントを獲得して五輪出場へ大きく前進した。

 悔し涙を流した後の表彰式。日本の選手は優勝したスイス以上に大きな拍手で本場カナダのファンに迎えられた。日本カーリング史を塗り替える銀メダルを首にかけたスキップ藤沢は「世界一になるには、もう一個違う壁があるんだと感じた。今回の負けが無駄にならないように頑張りたい」と早くも前を見据えた。

 後半はエンドごとにリードが入れ替わった大熱戦に終止符を打ったのは藤沢のミスだった。6―7の最終第10エンド、同点を狙ったラストストーンは無情にもハウスを通過。「最後のショットはスキップのやるべき仕事。それを決めきれなかったのは私の責任。悔しい思いしかない」と司令塔の目から涙があふれた。

 それでも世界を驚かせた快進撃は、2年後の平昌五輪への展望も大きく開いた。五輪に出場する10カ国のうち7カ国は今大会と来年の世界選手権で順位に応じて与えられるポイントの合計で決まるが、今回2位の日本は12ポイント獲得で出場枠獲得へ大きく前進した。

 国内の代表争いでも、LS北見は有利な立場にいる。来年の日本選手権2連覇で日本が五輪枠を獲得した場合の代表が確定する。藤沢は「(五輪出場が)近づいてはいるが、世界選手権で結果を出してこそ五輪でも結果を出せるようになる」と1年後の雪辱を期した。

 出場4選手が20代前半の若いチームが成長。チーム青森で五輪2大会に出場し、10年8月にLS北見を結成した「マリリン」こと29歳の本橋は今大会、出産を経て控えとして後輩を支えた。「笑顔のあふれるゲームをしてくれた。負けたことは悔しいが、見てくれた人が喜ぶ試合をしてくれたのは誇り」と称え「次世代の選手が育ってくれていることを幸せに思う」と手応えを口にした。

 ▼吉田夕梨花 最後の最後まで試合ができたことはうれしく思う。最後は負けたが、幸せな楽しい時間だった。言葉では表せないくらい、最高の舞台だった。

 ▼鈴木夕湖 負けて大会が終わったので、うれしい半分、悔しい半分。もっと安定して投げられる選手になりたい。

 ▼吉田知那美 やってきたことが一つの結果になったことは誇りに思う。まだ伸びしろはある。この負けを大切に、ひたむきに練習を頑張りたい。

 ▼全国農業協同組合連合会広報部久保田治己部長 感動をありがとう!祝、史上初のメダル、しかも「銀」!負けても気持ちをすぐに切り替え、逆転されてもすぐに再逆転し、手に汗握る熱戦で、日本が、世界が、感嘆しました。壮行会での「最低でも銀!」とのお願いを完璧に実現していただきました。また、カーリングを目指している子供たちにも、世界は夢じゃない、ということも教えていただきました。これからも皆さんのコンディションづくりに、お米など「ニッポンの食」で応援し続けます。

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