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東京五輪 理想はソフトな警備も…続くテロとの戦い

27日、ベルギーの首都ブリュッセルで追悼会場を警備する機動隊(AP)

 4年後の東京五輪・パラリンピック向けたテロ対策などのPR映像を警視庁が公開している。動画投稿サイトのユーチューブで見ることができるこの映像には1000人以上の現職警官が出演。潜伏するテロリストを特殊部隊が急襲するシーンや要人を警護するSPの活躍など本物ならではの迫力で、制作費2000万円というのもうなずける内容となっている。ベルギー同時テロの直後だけに映像を見ていると「日本は大丈夫」という気になってくるが、実際のところはどうなのだろうか。

 昨年末、東京五輪・パラリンピック組織委員会の警備担当者から報道陣へのブリーフィングがあった。警備に携わる人員は約5万人。内訳は警察官2万1000人、消防士6000人、海上保安官850人、民間警備員1万4000人、ボランティア9000人で、選手村や競技会場内は組織委、空港や鉄道など会場外の警備は警察の担当となる。これらは招致段階での数字なので、世界各地で頻発するテロを受けて更に増員が図られるのは確実だが、警察官はともかく民間警備員やボランティアは人手不足で、当初の人数ですら集められるかどうか危ぶまれているのが実情だ。大会のオフィシャルパートナーとして民間警備会社のセコムとALSOKが契約を結んでいるが、両社の警備員は全国に配置されており、短期間とはいえ東京だけに集中させれば他の地域の業務に支障が出る恐れがある。新たに採用しようにも、警備員はテロ阻止の最前線に立つことになるのだから誰でもいいというわけにはいかない。ボランティアも含めて身元調査や技能訓練をしっかり行う必要があり、2万人を超す人数を集められるかどうか不安が残る。

 そこで組織委が人手不足を補う切り札として期待を寄せているのがハイテク機器だ。代表的な顔認証システムは既に実用化されているが、東京五輪ではゴールドパートナーのNECが中心となり、4Kカメラを使って更に認証度を高めた最新型システムの導入を目指している。NECは他にも生体認証、行動検知・解析、そしてドローンなどで組織委と契約しており、国際オリンピック委員会も日本のハイテク防犯技術には高い関心を寄せている。

 ブリーフィングの際、警備担当者は「スポーツの感動、お祭りなので、警官を並べての威力警備は行わない」と強調した。テロ後のパリやブリュッセルでは警察や軍の特殊部隊が街中で銃を構えてテロリストを威圧する警備を続けているが、日本ではなじまないとの判断だ。警察官が群衆に溶け込むソフトな警備が理想であるのは間違いないが、果たして4年後の世情がそれを許してくれるかどうか。開幕まであと4年。テロとの戦いは1日の休みもなく続いていく。(藤山 健二)

[ 2016年3月29日 09:30 ]

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