松岡修造氏がデ杯展望 錦織が狙う“絶対有利”英国の隙とは…

[ 2016年3月4日 10:16 ]

英国撃破に期待する松岡修造氏

 男子テニスの国別対抗戦デ杯ワールドグループ1回戦で、日本は4日から英国と敵地バーミンガムで対戦する。3日には組み合わせ抽選が行われた。世界ランキング6位の錦織圭(26=日清食品)と同2位のアンディ・マリー(28)のエース対決も注目される一戦。大会3日間を連日生中継するWOWOWで解説者を務める松岡修造氏(48)が、昨年優勝国に挑む試合の展望と見どころを語った。

 「日本人であることを考えずに冷静に解説しなさいといったら、間違いなく英国が有利」

 理想の上司No・1にも選ばれた松岡氏は優しくも厳しい。現実を見据え、安直な激励を口にはしなかった。

 何と言ってもマリー兄弟の存在が大きい。A・マリーは先月9日に第1子が誕生。“パパ初戦”でモチベーションは高く、兄のジェイミー(30)は今年の全豪ダブルス優勝者。兄弟タッグに付け入る隙はない。相手は昨年の優勝国、アウェーでの対戦。デ杯の醍醐味(だいごみ)を感じられると同時に、三重苦とも言える状況でもある。

 ただし、松岡氏は「個人戦と団体戦は少し違う」と単純比較はできないという。それは日本が絶対に落とせないエース対決にも当てはまる。「最近のマリーの強さは凄く攻撃するようになったこと。特にセカンドサーブに対して攻撃的にリターンしてくる」。対戦成績は錦織の1勝5敗だが、団体戦の特別な雰囲気と英国開催の重圧がどう作用するか。そこに日本の勝機がある。「マリーは守っても勝てる選手だから、絶対に負けないぞとなると少し守りに入る。圭がそこをうまく突ければ勝利が見えてくる」

 松岡氏は2年前にデ杯に対する錦織のこんなセリフを聞いた。「僕1人だけに任せるのは困る。後に付いてきてくれないと自分がデ杯で戦っている意味がありません」。ツアーを優先してデ杯を回避するトップ選手もいる中、錦織には日本テニス界を背中で引っ張ろうという気概がある。西岡良仁(20=ヨネックス)やダニエル太郎(23=エイブル)ら若手がその思いに応えられるか。

 「松岡修造の時代であれば“英国と戦えて夢のようです”という言葉で終わったはず。それに比べれば勝つ可能性は50%までいかなくとも相当ある。これは大きな希望です」。実に85年ぶりの母国との対戦は、その希望を勝ち取るための戦いだ。

 ◆デ杯テレビ放送

 事前番組▽WOWOWプライム 4日21・30~※無料放送

 第1日▽WOWOWプライム 4日21・55~

 第2日▽WOWOWライブ 5日22・55~

 第3日▽WOWOWライブ 6日21・55~

 ハイライト▽WOWOWライブ 10日19・00~

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