錦織 連覇へ完勝発進 今季クレー初戦1度もブレーク許さず

[ 2015年4月22日 05:30 ]

初戦でストレート勝利を飾り大会連覇への絶好のスタートを切った錦織

男子テニス バルセロナ・オープン

(4月21日 スペイン・バルセロナ)
 世界ランキング5位の錦織圭(25=日清食品)が今季のクレーコート初戦で快調に滑り出した。第1シードで2回戦からの登場。世界85位のテイムラズ・ガバシビリ(29=ロシア)を寄せつけずに6―3、6―4のストレートで下した。昨年はこの大会でのクレー初優勝を皮切りに、日本人初のトップ10入りなど飛躍を遂げたクレーコートシーズン。今年もさらなるステップアップを目指し、大会連覇へと一歩を踏み出した。

 雲一つない快晴の下、一つのブレークも許さない快勝だった。「久しぶりのクレーコートでどうなるか緊張はあったけど、十分良いテニスができた」。前年王者としての重圧を感じさせず、余裕すら漂わせた錦織のプレーぶりだった。

 第1セットは相手の最初のサービスゲームをブレークに成功。あっさりと3ゲームを連取する最高の立ち上がりだった。「ハードコートとそれほど変えずに攻撃的にやっていきたい。フットワークをこの2週間、多くやってきた」と言うように、クレーも苦にせず、つなぐべきところはつなぎ、チャンスと見るや、すかさず攻めた。第2セットも第5ゲームをブレークすると、1時間7分で試合を決めた。

 球足が遅く、高く弾むクレーコート。コートの表面が滑るため、足を滑らせながらのストップ&ゴーが必要になる。中尾公一トレーナーが「ハードコートに比べて一瞬の強度は落ちるけど、筋肉を長く使わないといけない」と説明するクレー特有の動き。その対策としてスピードスケートの選手が陸上トレーニングで使う「スライドボード」を用いた練習も行ってきた。左右にストッパーのついた板で、まるで氷上のようにツルツルと足を滑らせる。ツアープロの間では一般的だというが、クレーコートのない場所でも、これでスライディングの感覚を体に染みこませてきた。

 試合前日の20日には、大会8度の優勝を誇るラファエル・ナダル(28=スペイン)と世界遺産「サン・パウ病院」の敷地内でミニテニスをするイベントにも参加した。コートの外で前年王者としての役割を果たしつつ、コートの中でもしっかりとその存在感を示した。

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