沙羅、同点Vで今季初3連勝 差詰まらず…最終戦で奇跡を!

[ 2015年2月16日 05:30 ]

3連勝を飾り笑顔の高梨沙羅(AP)

 ノルディックスキーのW杯ジャンプ女子は15日、スロベニア・リュブノで行われ、個人第12戦(HS95メートル、K点85メートル)で、個人総合2位の高梨沙羅(18=クラレ)は1回目に88・5メートル、2回目は89・5メートルの最長不倒をマークした。合計244・9点で、個人総合首位のダニエラ・イラシュコ(31=オーストリア)と同点優勝。高梨は3連勝で今季5勝目、通算29勝目とし、3月の最終戦(ノルウェー)に個人総合3連覇の望みをつないだ。

 簡単に総合女王の座は渡さない。個人総合3連覇へ望みをつなぐためには優勝が必要な状況で、高梨が意地を見せた。1回目は2位だったが、2回目に最長不倒89・5メートルの大ジャンプで、トップだったイラシュコを捉えた。「まさか自分も1位になれるとは思っていなかったので驚いた」。同点で今季初の3連勝だ。

 今季は試練が続いている。スキーとブーツをつなぐ金具は夏に新型を試したが、開幕戦の後に元に戻した。「ジャンプの土台が変わってきたのに気づくのが遅かった」。狂った感覚はすぐには戻らず、イメージと実際の飛躍のギャップに悩んだ。助走路の滑りが安定せず、昨季は全18戦で立った表彰台も今季は11戦で3度も逃した。

 飛距離に本来の伸びが出てきたのはシーズン終盤になってからだが「メンタル面を強くしてくれた」と前向きだ。個人総合得点はイラシュコが962点、高梨は873点。今大会前の89点差は変わらないまま、3月の最終戦に臨む。厳しい状況でも諦めない。「少しずついいジャンプになっている。自信にもつながった」。奇跡の大逆転を信じて高梨が飛ぶ。

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