松山1差3位、悔しいけど成長実感 世界トップ10見えた!

[ 2015年1月14日 05:30 ]

17番でバーディーパットを外し顔をしかめる松山

USPGAツアー 現代自動車チャンピオンズ大会最終日

(1月12日 ハワイ州カパルア プランテーション・コース=7452ヤード、パー73)
 松山惜しい!首位から出た松山英樹(22=LEXUS)は3バーディー、ボギーなしの70で通算20アンダーの272と伸ばしたが、1打及ばず3位だった。米ツアー2勝目は逃したものの、昨年のツアー優勝者だけで争う特別な大会で堂々たるプレーを見せ、海外メジャー初制覇に向けて貴重な経験を積んだ。通算21アンダーのパトリック・リード(24=米国)が、ジミー・ウォーカー(35=米国)とのプレーオフを制し今季初勝利、通算4勝目を挙げた。

 ほんのわずかな差だった。首位に1打差で迎えた18番パー5。決めればプレーオフに進出できる2メートルのバーディーパット。無情にもボールはカップの左を通過した。松山は悔しげな表情で、立ち尽くした。

 昨年6月のメモリアル・トーナメント以来の米ツアー2勝目はならなかった。22歳は「パットが入らなかったことが敗因。勝てなくて悔しい」と絞り出し、ロッカールームに姿を消した。約20分、気持ちを整理して報道陣の前に現れると「(優勝争いを)何回も経験していくうちに慣れてくると思う。そういうことは大事」と視線を上げた。

 首位に並んで出た同組のウォーカーが前半からスコアを伸ばす中、食らいついた。5番パー5はグリーン右ラフからのアプローチを50センチに寄せてバーディー。7番は8・5メートルをねじ込んだ。

 しかし前日まで3日間で10打もスコアを伸ばしたインでチャンスを生かせなかった。12番は2・5メートルのバーディーパットが決まらない。「パットは悪くなかったが、途中から入らなくなった」と優勝争いのプレッシャーの中でパットに狂いが生じた。18ホールの合計パット数は前日より4つも多い30だった。305ヤードと短い14番パー4では4日間で初めて1Wを握り1オンを狙った。勝利への執念をにじませたが、あと一歩届かなかった。

 しかし前年のツアー優勝者だけが参加するエリート大会で得た収穫は多い。パーオン率は全体3位の86・11%。先月、宮崎で約1週間の合宿を張り不安定だったショットを修正したが、その成果が表れた。パーオン時の平均パット数は全体4位の1・677を記録。粘りのあるバミューダ芝からのアプローチでは高い技術を何度も見せた。

 米ツアーで首位で最終日を迎えるのは昨年5月のクラウンプラザ招待以来2度目。その時は1つスコアを落とし10位に終わったが、今回はスコアを伸ばした。一時は3打あった首位との差を詰めて最後まで優勝の望みをつないだ。「崩れることなくホールアウトできたのは良かった」と自身も成長を実感している。

 そして大会後の世界ランキングは16位から1つ上がり15位になった。次戦ソニー・オープン(15日開幕、ハワイ州ホノルル)で優勝すれば11位前後までランクアップする可能性もあり、トップ10入りは目前だ。

 今季の目標はメジャー優勝。当面は4月のマスターズに照準を合わせる。その大舞台に「本命」の一人として参戦することも夢ではない。

 ▼1位リード 我慢強くプレーしたことがこの結果につながった。(プレーオフを1ホール目で制し優勝)

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