白鵬、最多33度目優勝へ心理戦 栃煌山に怒号でプレッシャー

[ 2015年1月9日 05:30 ]

春日野部屋に出稽古した横綱白鵬

 大相撲初場所(11日初日、両国国技館)で史上最多33度目の優勝を目指す横綱・白鵬(29=宮城野部屋)は8日、東京都墨田区の春日野部屋で、初場所前最後の出稽古を行った。初日に対戦する可能性の高い西小結・栃煌山(27=春日野部屋)と12番取るなど計26番の精力的な稽古で、仕上がりの良さを示した。

 白鵬の怒声が稽古場に響いた。栃煌山との三番稽古。相手の立ち合いのタイミングが遅れた時だ。「ちゃんと(手を)つけ、早く」。栃煌山は「すみません」と大声で平謝り。その後もタイミングがズレると、白鵬は無言のプレッシャーをかけ、栃煌山は申し訳なさげな顔で「すみません」を連呼した。

 早くも心理戦はスタートしている。栃煌山とは初日に対戦することが濃厚。ともに時津風部屋への出稽古となった前日に14番取ったが、この日は栃煌山の所属する春日野部屋に出向き、さらに12番も取った。組んで前に出るだけでなく、投げやはたきも織り交ぜて10勝2敗。過去の対戦成績は25勝1敗と圧倒しているものの、ひと呼吸置いてから自分のタイミングで手をつくなど立ち合いにクセがある相手だけに、終始プレッシャーを与え続けた。

 稽古後、栃煌山の立ち合いについて聞かれた白鵬は「四つ相撲だったと思うけれど、押し相撲に転向してますね」と差し身のうまい相手が押しの強さを増していることに警戒感を示した。2日連続の稽古で、事前の研究材料にもなった様子だ。

 栃ノ心、碧山と合わせて計26番で21勝5敗とし、場所前最後の出稽古を締めくくった。単独での最多優勝記録達成に向けて、大事になる初日まであと2日。「短時間で仕上がった感じがしますね。いい汗かけましたよ」。好ダッシュする準備は万全だ。 

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2015年1月9日のニュース