宇津木氏「これから本当の勝負」プロ、アマ野球と三位一体で

[ 2014年12月9日 05:30 ]

<野球・ソフトボール合同記者会見>笑顔で握手する全日本野球協会・鈴木義信副会長(右)と日本ソフトボール協会・宇津木妙子副会長

 硬く締まった表情は復帰への決意の表れだった。IOC臨時総会で開催国の種目追加提案の権利が承認されたことを受け、午後9時20分に始まった全日本野球協会と日本ソフトボール協会の合同会見。ソフト協会の宇津木妙子副会長は「スタートラインに立っただけ。まだ復活じゃない。ラインに立てたことはうれしいが、これからが本当の勝負」と一点を見つめた。

 苦い過去がある。08年の北京五輪を最後に実施競技から消えたソフトボール。レスリング、スカッシュなどと実施を争った昨年9月のIOC総会では、国内では「野球・ソフトが有力」と報じられたこともあったが、フタを開ければレスリングに決定。宇津木氏も「もう3度、(復帰と言われ)駄目だった。これはつらい。最終的に決まった時に喜びたい」と話した。

 そのための対策も講じる。会見に同席した全日本野球協会の鈴木義信副会長は「プロ、アマ、ソフトと五輪対策委員会のようなものを立ち上げ、年明けから始める。定期的に協議し、三位一体で復帰を目指す」と語った。野球にはプロ選手を含めたチームづくりや7回制実施を含むルールの改正など、解決すべき問題が山積している。IOCは各競技の世界的普及度、テレビ放映、スポンサー収入などを調査し、提案種目を決める。来年7月のIOC総会(クアラルンプール)で復帰を勝ち取るためにも、3者がアイデアを振り絞って、その道筋をつける。

 宇津木氏は復帰した場合について「きちんとしたソフトボール場をつくりたい」と私案も披露した。日本代表が今年8月の世界選手権を連覇するなど継続的な強化とモチベーションを維持してきたのも五輪復帰を信じてこそ。「できれば東京だけじゃなく継続的にやりたい」。長年、日本ソフト界をけん引してきた同氏の言葉に力がこもった。

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