桐生 日本勢史上初銅「うれしさもあり、悔しさもあり」

[ 2014年7月25日 05:30 ]

男子100メートル決勝で3位になり、笑顔の桐生

陸上世界ジュニア選手権第2日

(7月23日 米オレゴン州ユージン)
 TOKYOにつながる表彰台だ。男子100メートル決勝で、桐生祥秀(18=東洋大)が10秒34(向かい風0・6メートル)で銅メダルを獲得した。日本初の9秒台には届かなかったものの、同種目でのメダルは史上初めて。6月に右足裏を痛め、23日も股関節痛と両脚がつるアクシデントを乗り越えた。20年東京五輪開幕まで6年という節目の日に、ポテンシャルの高さを見せつけた。

 目指していた金メダルにも、9秒台にも届かなかった。タイムは10秒34にとどまったが、100メートルでは初の表彰台となる銅メダル。「うれしさもあり、悔しさもあり、という感じ。ここからもっと上を目指していきたい」。レース後、日の丸を手にした桐生には2つの感情が入り交じっていた。

 右足裏を痛め、約1カ月半ぶりの実戦。「スパイクを履いたのも1~2週間前」と調整不足は否めなかった。それでも、9秒97の世界ジュニア記録保持者ブロメル(米国)と互角のレースを展開。中盤でトップに立つ場面もあった。ぎりぎりで通過した準決勝で股関節に痛みを感じ、決勝は両脚がつった。昨年はダイヤモンドリーグ、世界選手権と海外のレースで実力を発揮できなかったが、アクシデントに襲われながらも成長を示した。

 20年東京五輪の開幕まであと6年。6年前に陸上を本格的に始めた桐生は今、夢舞台への中間点にいる。「あと6年しかないが6年もある。階段を踏み上がっていきたい」。TOKYOを見据えて、ワンダーボーイがここから加速する。

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2014年7月25日のニュース